少し前にアメリカで、WeWorkが破綻したことが話題になりました。このブログでも以前にWeWorkについて取り上げまして、その際にはいわゆるポジティブさが先行して資金調達をしてしまう危うさについて、書きました。
イケイケで資金調達したにもかかわらず、想定通りいかなかったのが破綻の大きな要因であると考えてますが、今回はもう少し細かく書いてみたいと思います。
WeWorkの元々の触れ込みとしては、以下の記事にあるような、いわゆるオシャレな雰囲気とテクノロジーを活用した、オフィスを提供するというものになります。特にWeWorkが出たての頃は、不動産テック的な取り組みはやはり目新しさがあったので、資金も調達しやすかったのかなとは感じます。
ただ、結果としては以下の記事にあるような
収益から見る実態は、単なるレンタルオフィススペース企業であり、稼働率を高めても黒字化しないほど高い賃料でビルを長期間の契約で借り、安く小分けにして短期でも解約出来る会員に賃貸しているビル賃貸業
という結果になり、テクノロジー等を使用することで差別化できなかったということになります。コロナがあったり目新しさも薄くなる中で、資金調達した後の打ち手が出せなかったような気はします。もちろん初めにきちんと理想を置くのは大事ですが、実際にユーザーに価値を感じてもらえなかったら元も子もないです。
では、WeWorkはどうすれば良かったのかというと、ヒントはWeWorkの日本法人にあると個人的には考えています。WeWorkの日本法人は、アメリカの状況と異なり現在も営業しています。コロナ当初は日本法人もアメリカもそこまで状況的に変わらなかったように感じますが、そこから日本法人は危機感を持って以下の記事にあるような対策を取りました。
これからは営業戦略を立てて、メンバーのニーズをきちんと理解することに努めよう、と社員に伝えました。
お客様のさまざまなニーズに応えるプラン設計をしており、プランの内容もお客様ごとにカスタマイズも可能
やったことは本当に当たり前のことで、顧客のニーズをヒアリングしてサービスに反映したというものになります。当たり前のことではあるのですが、けっこう見落とす観点かなとは感じます。
昨今はAIやメタバースやWeb3などなど、テクノロジーの要素として新しいものが出ています。こういったものは全てのユースケースにハマるようなものではないと私は考えてるので、技術要素を深掘るのは非常に大事な一方で、現実の課題にどう活用するかという観点も持つべきとは感じます。