とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

そろそろ二元論で考える思考はやめた方が良いと思う

時代劇とかヒーローものをイメージすると分かりやすいのですが、日本人というか人間は善悪の二元論で白黒つけることが好きな気がします。もちろん、それは否定しないのですが、現実世界において白黒つけられることは、けっこう少ないと私は思っています。善悪をつけたい気持ちは分かりますが一方的に片方が悪というケースはあまりないと思っていて、双方どこかしらに欠点だったり、メリット・デメリットがあるほうが多いと思います。
例えば下記の記事にあるような「東日本大震災のガレキ問題」について。ガレキは安全か危険かという二元論で論じられてしまったのですが、そもそもなんで安全か・なんで危険か、危険であればなぜ危険でどういうリスクがあるのか、ということが掘り下げられず、単純な安全・危険だけで物事が動いてしまうのは少しどうかなとは感じます。

medium.com


これは、サービス設計においても言えることだと思います。下記の記事にあるような、マーケットインとプロダクトアウトの二元論でけっこう方針が分かれるような気がしますが、どっちも置かれている状況によっては正しいので、絶対的にどちらが正しいというのはないと思っています。その状況とは、自社の社員の技術だったり、定めるべき顧客のターゲットだったり、サービスの目指すところだったり、いろんな要素が絡み合って最終的な方針が選択されると感じます。

www.jri.co.jp


もちろん昨今、変化が激しい世の中なので、過去にマーケットインで成功したけど、今はマーケットインが上手くいかないというのはあると思います。周りが変化している以上は、その正解も変わっていくのが必然であって、二元論で出した結論に縛られるとこういった変化についていけないリスクもあるのではないでしょうか。

コロナの影響もあってか、ますます先の読めない時代です。そんな時代にあって大切なのは二元論に縛られることではなく、状況状況に応じた最善を考えることだと思います。最善を考えるにあたって、もちろん一つの考え方だけでは行き詰まりをみせる気がします。だからこその「多様性」であって、多様性を大事にしている組織ほど変化に対応できるのかなとは感じます。

el.jibun.atmarkit.co.jp

 

戦略とは何かについてあらためて考えてみる

戦略について昨年に下記のような記事を書いて、

toaruit.hatenablog.com

 

その時は「進むべき方向性、シナリオ」といったことがどんなものなのかを、中心に取り上げました。もちろん、戦略の定義としてはこれでほぼ終わりなのですが、では進むべき方向性をいざ決めるといっても、方向性って何なんよ、ちょっと抽象的すぎないか、という感じもやはり拭えません。というわけで、今回は戦略というものがなんなのか、もう少し突き詰めてみたいと思います。
目標設定の手法としてOKRが採用されるケースも、最近は増えている気がします。目標を設定するにあたって、その企業の戦略にもとづくのが大事と感じられますが、例えば一部門が企業戦略の全てを目標に設定するのは難しいと思います。そこには、取捨選択があって自部門が何に集中すべきか決める必要があります。

note.com

 

OKRの目標設定と同じロジックで、一企業が出来ることには限りがあるので、戦略を策定するときも同じプロセスになると思います。本来は理念を実現することを実行すべきだが、ただ限られた時間やリソースがあるなかで、何に集中べきかというのを決める必要があります。下記の記事では、戦略は「パッション+取捨選択+ストーリー」と述べられています。

hiroyukiarai.jp

 

下記の記事によると、限られた選択肢を明示することは実行のしやすさにもつながるそう。たしかに、曖昧な方針よりは明確に何をやると決めるほうが、分かりやすさはある感じがします。ので、戦略とは何をやるべきかの「選択」というのが、本質的な考え方かなと個人的に感じました。

www.dhbr.net

天才の創造性を活かすためには

かなり前になりますが、本ブログで天才を社内でどう処遇すれば潰さずにすむかという観点で、主に日本にみられるようなマネジメントのキャリアパスについて少し考えてみました。

toaruit.hatenablog.com


今回はこの天才の良さを活かすためにはどうするかというのを、もう少し深く考えてみたいと思います。

私が働いていた現場にもいたのですが、ある特定の分野に秀でた人がうまく会社の業務にフィットしない、といったことは経験されている方もいるのではないでしょうか。下記の記事にあるような、オーバースペックな人たちです。

jp.quora.com

 

オーバースペックな人たちに合うような業務を与えられないのは、マネージャーや会社のせいと思うかもしれません。それは正しいと言えば正しいのですが、ただ会社の事情もあって中々彼らに合う仕事が与えられないのも現状だと思います。それは、ある側面では、普通の人の集団である組織には、彼らの気持ちが分からないと言えるかもしれません。
下記の記事は女性に限定した話となっていますが、特に性別関係なく当てはまる部分もあるような気もします。特に「価値観の押し付け」であったり「同調圧力」は、会社や学校などで感じたことがある人も、多いのではないでしょうか。

www.michellenpa.xyz

 

 もちろん、世の中のいわゆる「普通」に合わせた価値観は大事で、世の中の常識が通じない組織は続かないかなと思います。正しいと思われることが通じないのは、組織としては問題があるように私は感じます。
一方で、世の中の常識から逸脱するようなアイデアを「許容する」ことも大事だと思います。天才が出すアイデアが突拍子もないものだとしても、それを却下せずにシーズになりうるものか試してみるとか、そういう取り組みも大事と感じます。下記の記事のような事例が、参考になるかと思います。

www.itmedia.co.jp


会社である以上は、利益を出さなきゃいけないし、ユーザの声も聞かなきゃいけません。これをないがしろにしては、そもそもビジネスとして成立しないと考えます。ただ、それとは別軸で下記の記事にあるような、「どんな世の中を作りたいか」という観点も大事だと思ってます。
天才にもいろんな種類がいると思っていて、ビジネス的なセンスがある人、瞬発力がある人、アイデアを出すのが上手な人、などなど。いろんな人を活用するためには、企業が色んな軸を持つ必要性があると感じます。

codezine.jp

 

現実と虚構とテクノロジー

最近はコンプライアンスが厳しくて、テレビなどのコンテンツが昔と比べて自由に作れないといった話を聞きます。時代の流れと言えばそれまでなんですが、ではなんでこのような変化が起きているのでしょうか。下記の記事では、
「昔のスターはプライベートを絶対に語らなかった。それがSNSが普及して、みんな、自分からプライベートを明かすようになったでしょう? 芸能人といえども、ものすごく近い存在になったことも、スターがいなくなったことと無関係ではないと思います」
といったコメントがあって、SNSやオンラインの浸透が無関係ではないかなと感じます。

www.news-postseven.com


SNSやオンラインが浸透するにつれて、ある種のフィクションと現実との違いがつかなくなってきてるのではと感じます。下記の記事によると「認知機能の低下」と述べられていますが、現実と虚構との境目がテクノロジーの進化によってつかなくなってる部分も否めない感はあります。ので、テレビやアニメなど虚構に含まれるような世界に対する規制が厳しくなっている側面があると思います。
テクノロジーによってある種の作り話が体験できてしまうことで、「そんなの作り話でしょ」が通じなくなってきてるのかなと感じます。

note.com


現実と虚構との境目という観点だと、下記の記事にあるように今後より進化するだろうと思われます。そうすると極論ですが、自分の思いのままの世界が虚構で作れるようになって、虚構の世界で行われてるようなことが現実世界でも行われるリスクのようなものも否定はできない状況と感じます。

globe.asahi.com

 

ということで現在、表現の規制について岐路に立たされているタイミングと私は考えています。表現をガチガチに規制することで、現実世界との整合性を担保するというのも一つの手としてはありといえばありかもしれません。ただ、個人的には別の道も模索すべきだと思っていて、それは根底となる倫理観をあらためて見直すということです。
倫理観といっても何ぞやという話なのですが、おそらく一昔前までは職場等の所属する組織における決まり事が、大きなものだったかもしれません。基本的に会社を変わるということがあまりないということもあって、その組織の倫理観がそのまま所属している人の倫理観にもつながってたように思います。ただ、変化の激しい今の時代、会社も潰れるし転職なんて普通だし、そうなるとよりどころとなる組織がなくなる人が多くなっていきます。そんな今だからこそ、下記の記事のような「自律性」が大事になってきて、自分自身で何が正しいかを判断する力が重要になってきます。

note.com


そもそも、こういった倫理観は、組織や人から押し付けられるのではなく自分で考えて導き出すべきという本来の形に戻ったのかもしれません。出光創業者の出光佐三は「道徳は全人類が平和にしあわせに暮らすということであって、それ以外にはない。したがって民族や時代や国によって変わるようなものではない。この意味で、思想も道徳も人類の存するかぎり唯一永久不変である。」と述べていて、最終的には人間が本来大事にすべきようなことに回帰していくのかなと感じます。

www.idemitsu.com

コミュニケーションとチームとモチベーション

最近、ふと見かけた下記の記事。会社勤めしてると、辞めたくなるような時はやはりあって、なんとなく共感できた点が多かったです。

haneuma0628.hatenablog.jp


上記の記事にある通り、コミュニケーションとチームの部分は、その会社で働き続けられるかというのに大きく関わってくると私も感じます。てなわけで、今回はこのことに関して私の考えをまとめてみたいと思います。

 

【コミュニケーションに関して】
適切なタイミングで適切な手段を選んでコミュニケーションをとるのに尽きるのですが、そうは言っても中々うまくはいかないのが現状です。ただ、何でもかんでもとりあえず話し合いで解決するのは違うと思っていて、まずはその問題はどうやったら解決の道筋をたてられるのか、考えるのが大事かなと考えます。
その上で話し合いのほうが早く解決すればそれでよいし、別に話し合うほどでもなければテキストでよいと感じます。手段が適切かというのを考えるくせをつけないと、いつまでたっても効率化は出来ないなとは感じます。


【チームに関して】
個人的に考えているのは、まずチームで起きることは全て自分事にするということです。もちろん、自分一人では出来ないこともあると思いますが、それでも他の人がどういう対応や行動をしたのかというのは、出来る限り把握すべきです。それをせずにみんなで責任とろうとかやると、結局は誰の責任だ、みたいな議論がおきるし、チーム内でそんなことをやることも不毛だと感じます。
また、チームで起きてることを全て把握できない場合は、それはチームの分割単位に問題があると思います。各人が適切にチームの状況をある程度把握できる単位が望ましくて、それは組織設計の時に考慮されるべきと私は考えています。

 

最後にモチベーションですが、コミュニケーションとチームが自分にとってある程度フィットしないと、中々上げるのは厳しいと感じます。自分に合わないやり方で成果をあげてる人を尊敬することは難しいだろうし、フラットな目で他の人の能力を計れなくなってしまう気がします。
また、コミュニケーションのとり方やチーム構成はある種の組織風土であるわけで、これを変えにいくのは中々に骨が折れると思います。改善できないなと思ったら、環境を変えるのも一つの手と感じます。

CRE(Customer Reliability Engineering)について

最近、CRE(Customer Reliability Engineering)という言葉をちょくちょく見かけるので、なんだろうというのを少し調べてみました。雰囲気的には、以前に本ブログで紹介したカスタマーサクセスの考え方に近いものを感じます。

toaruit.hatenablog.com

 

カスタマーサクセスやカスタマーサポートを担当しているのは、エンジニアの人達ばかりではありません。もちろん、システムを扱っているので、システムに関する基礎的な知識は身に付けているに越したことはないのですが、とはいえ内部仕様の詳細を調べたりシステムの改善を行ったりするのはキツくなってくると思います。CREはこういった問い合わせを減らしたりとか、カスタマーサクセスを実現することを、エンジニアの立場から行う取り組みとなってきます。

medium.com


CREって言葉だけ見るとちょっと目新しいと感じてしまいますが、ただちょっと落ち着いて考えるとこういった業務を、前からやってるエンジニアも普通にいるのではと感じます。システム保守を業務としているエンジニアの人は、CREって何が保守と違うのと感じる気がします。私も過去にシステム保守をメインで担当していたことがありますが、特にCREに対して目新しいことはないと考えています。
下記の記事にあるように、ビジネスに深く関わるシステムであればエンジニアが何かあった時にすぐ動ける体制を作るの必要なことです。バグがゼロのシステムなんてほぼないので、途中で改善しなければいけないこともあるでしょう。

axia.co.jp

 

ただ、一点システム保守とCREで目の向先が少し違うかなとは感じました。システム保守はシステムに目が向いている傾向にあるのに対し、CREはユーザに目を向てるという点です。もちろん、システム保守の担当だから顧客に目を向ていないかというとそうではありません。トラブルが起きた時にそれがどれくらい業務インパクトを与えるのか、再発しないためにはどうすれば良いか、問い合わせが多く来ないためにはどうすれば良いか、私が保守を担当していた時の現場はこのような観点も持って仕事に取り組んできました。
だから、保守だろうとCREだろうと呼称はあまり関係なく、いかにビジネスに対してシステムを活用できる状態にするか、というミッションは変わらないと思います。もちろん、トラブルに対峙することが多いので、しんどく感じることも多いでしょう。だから、仕事としてただやるんじゃなくて、そこにビジネスがあるという誇りみたいなのを持つ必要があるし、個人的には非常に価値がある仕事だと思ってます。
保守はけっこう軽い目で見られがちと感じることもたびたびあったのですが、当時の保守の現場で一緒に働いていたメンバーはみんな、ユーザに対してどう接すれば良いかというのを悩んでいたし苦労も多かったです。だからこそ、このCREという新しい呼称により、もっと陽の目を見るようになってくれば良いなとは感じます。

ブラウザでのアプリケーション実行の変遷について書いてみる

私がエンジニアをやってる中で、Webアプリケーションにたずさわってたことが一番多い気がします。今振り返ると、私が実際にWebに関わってきた頃からだいぶブラウザの環境とかも変わってきている感じがします。今回は私が携わってきた内容とかも踏まえて、このWebアプリケーションの主にブラウザに関わる部分を書いてみたいと思います。
まず、どこから話を始めるかというと、私がWebアプリケーションにたずさわり始めた2000年代後半から2010年代初頭くらいのところから。この頃は下記の記事の通りちょうどAjaxが出たての状況でしたが、Webアプリケーションの範疇では基本はサーバサイドでHTML出力し、フロント側のJavaScriptは補助的な役割というのが多かった気がします。

www.kogures.com


ではフロント側でリッチなコンテンツを入れたい時はどうするかというと、FlashであったりJavaアプレットといった、ブラウザで実行できるサードパーティのアプリケーションを組み込むことが多かったです。特にFlashは色々なサイトで使われていましたし、私もFlashとのデータ連携部分の案件などやってたこともあり、苦い思い出もあります。

nlab.itmedia.co.jp


そして、2010年代の初頭から中盤頃にかけて、フロントエンドにおけるWebアプリケーション開発の大きな変化が、個人的には2点あったと考えています。
まず一点目がHTML5です。HTML5が登場したことによって、ブラウザで今までサードパーティのアプリケーションでしか不可だったリッチなコンテンツを、ブラウザで実現ができるようになりました。登場当初は、まさかFlashを駆逐するとは思いもしなかったです。もちろん、スマホ普及の影響も大きいですが、それだけブラウザの機能自体が急速に進化したと感じます。

techblog.yahoo.co.jp


二点目は、JavaScriptフレームワークが登場してきたことです。ブラウザ上でリッチなコンテンツを表現できるようになっても、それを適切に開発できなければいけません。フロントエンドの実装が増えてくる中、jQueryでは開発の限界がやはりある気がします。そんな中でJavaScriptフレームワークが誕生したのは、大きかったと思います。下記の記事にあるフレームワーク「AngularJS」は、今のフロントエンドワークの先駆けのような存在と感じます。

codezine.jp


そして、現在に至りこのHTML5JavaScriptフレームワークが洗練されてきて、かなり多くのことがブラウザで完結できるようになりました。まだまだネイティブアプリでしか出来ないこともありますが、ブラウザの機能追加も今もかなりの勢いで行われていて、ちょっとしたアプリであればブラウザで十分かなと感じるくらいです。

また、開発スタイルとして、バックエンドとフロントエンドで分けて開発するケースが多くなってきました。これはフロントエンド周りの技術スタックが確立してきた点と、フレームワークもある程度React・Vueあたりに落ち着いてきたという点が要因として挙げられるかなと思います。

d.potato4d.me


さて、すごくざっくりですが現代に至るまでのブラウザ周りのアプリケーションについて書いてみましたが、最後に少し未来の話を書きたいと思います。
ブラウザ界隈で最近、最もホットなトピックの一つがWebAssemblyでしょう。もちろんブラウザでもできることは増えてはいるものの、一方でJavaScriptだけでは処理しきれない処理も存在するわけです。それをカバーする仕組みとして用意されたのが、WebAssemblyです。現状、エンコード処理であったり機械学習の処理なんかを、ブラウザで実行することに活用を見出したりしています。今後OSの機能呼び出しとかもできるようになるらしく、機能がより洗練されてくれば、ブラウザでできることがより増えるものと期待しています。

www.publickey1.jp