とあるIT屋の独白

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昨今(2022年10月)のインフレ・円安についての所感

ここ最近はインフレや円安といったワードを、ニュースで見かけない日は無い気はしますよね。我々の日常生活にも影響がある部分はあるので、やはり関心は高くなるでしょう。インフレや円安は、マイナス面もあるのでそこがクローズアップされてしまうのは致し方ない面はあります。ただ、プラスになる面もあると考えていて、長期的にはこれは日本にとって良い方向にいく可能性があると個人的には考えています。

まず、前提として、バブル崩壊から30年近く日本はデフレの状況になっていました。それを打開するために、ここ数年で金をかなりばら撒くような政策をやってきたのですが、内部留保や貯金といった形で貯め込まれてしまい、なかなかインフレ基調にするのは苦労していた印象はあります。ここにきて、ようやくインフレ基調の傾向になってきたとはいえ、要因としては主に海外の政情や円安によるものが大きい感はあります。インフレへの嫌気が大きくなれば、消費がしぼんでデフレ基調に戻る可能性もあるでしょう。

zuuonline.com


では、そうならないためにどうすれば良いかというと、個人的な所感では、インフレ・円安であるうちに国内の供給を拡大し、最終的な賃金アップにつなげるということが大事だと考えています。実際に円安や海外のインフレ影響で、国内への生産回帰という話も出ています。もちろん、国内回帰はすぐに出来るという話でもないし、成功するかと言われると微妙なのではという、下記の記事のような意見はすごく分かります。

wedge.ismedia.jp


また、日本は人口が減少する中で、国内回帰したものの今後雇用を継続できるかという不安はあるでしょう。すぐに人口を増やすというのは無理があるので、国内回帰を後押しする上で直近の政策としてどのようなものが効果的か、というのは真剣に考えるべきと感じます。一つ参考になるのは以下の記事で、

www.rieti.go.jp

競争力の強化には、研究開発や知的連携に対する政策支援が有効だ。ノーベル経済学賞受賞者のポール・ローマー氏が言うように、その利益は社会に広く行き渡るからだ。米欧が計画する供給網強靭化計画では、供給網の国内誘致に加え、大規模な研究開発支援がもう一つの柱となる。この点は日本も見習うべきだ。

は案として良いかなと感じます。


「研究開発や知的連携」の観点だと、教育への投資も大事になってくるでしょう。この部分の投資が数十年上手くいってなかったと感じるし、デフレ・円高基調の状況において重要性もあまり高くなかった気がします。とはいえ、今になってようやく国内回帰が議論されつつある中で、避けては通れないトピックだと考えています。

研究開発や教育に投資することは、価値の高い人材を生む土壌を作ることにつながると思います。最近だと「人材不足」と言われていることが増えている気がしますが、この人材不足を解消することこそが、国内回帰や賃金の上昇を実現する上で、最重要の課題と私は考えています。