菅さんが新しい首相となって目玉政策の一つが「デジタル庁」です。既にけっこう色々なことが言われてますが、今回はこのデジタル庁について、思うところを書いてみたいと思います。
まず、デジタル庁ってそもそも何やるの、という点。以下の記事にざっくり書いてますが、まずはマイナンバーの普及。マイナンバーを軸として、保険証や免許証もデジタル化していき、データを一元化できるようにするのが当座のゴールという感じです。
デジタル庁の取り組みについては、個人的にはメチャメチャ良いと感じてます。一個一個カードとか書類を管理するのは、すごくナンセンスだと思ってるので、本当に一日でも早く実現してほしいです。ただ、このミッションちゃんと実現できるのかってのは、今の状況だとかなり怪しいと思ってて、この点についてもう少し書いてみます。
少し前に話題になった給付金の申請システム、10日でやれと言われて開発したものの、当初は不具合続きでした。こういったやり方をしてると現場は疲弊するし、アジャイルという名の元で品質が担保されないシステムが生まれてくのは、さすがに違うかなと感じます。
じゃあ何でこんなことが起きるのかというと、発注側がシステム開発のノウハウが足りてないことに起因してると私は考えます。給付金のシステム開発は外部ベンダーへの発注と推測されますが、金は出すからとにかく速く作れと言って作らせた雰囲気はあります。もちろんスピードは大事ですが、システム開発の経験がある人ならかなり無謀なことと考えてしまうものであり、そういった勘所が分かる人材が役所では足りてないように感じます。
下記のツイートにある通り、役所のIT環境もレガシーな状態みたいです。こんな状態でITに強い人を育成するのは難しいだろうし、民間からも来たいという人はまぁ少ないでしょう。
公務員のIT事情は最悪だ。エンジニアはまず来たがらないだろう。活躍している人であれば明らかに給料は下がるし、そもそもIT活用を内側で規制しているのである。機密保持と称した雑なインターネットアクセス制限、ソフトウェアインストール制限、開発管理もままならない。文化がない。 https://t.co/PWsYJoJwA4
— カオスラボ (@chaoscloud950) 2020年9月17日
というわけで、菅さんがやろうとしてること自体はすごく良いけど、それを実行にうつせる人材が不足してる、というのが現状だと思います。とは言いつつ、進めなければいけないので、どうすればいいのかというと、下記の記事にあるような東京都の取り組みが参考になる感じはします。東京では元ヤフー社長の宮坂さんが、副知事になってITの取り組みを行っています。
東京ではエンジニアを役所で確保する取り組みと同時に、議会のデジタル化やITインフラの整備も進めています。議会のデジタル化は、めっちゃ大事だと思ってて、ITを推進する自分達自身が有効活用しようという意識を持つことが大事と思います。
やはり、民間でITの経験を積んだ人にいかに権限を与えて実行させるのかは大事で、国でもそういう取り組みは行っていくと思いますが、今後どうなるか注視したいです。