とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

日本の生産性とかレッドオーシャンの環境とか

少し前ですが日本が名目GDPについて、ドイツに抜かれたとのニュースがありました。もちろん、為替や物価高の影響はあるものの、日本の経済が停滞気味というのは事実としてあるかなとは個人的に感じています。

www3.nhk.or.jp


2024年3月に金融緩和も解除されました。その時点で物価も賃金も上昇傾向であるから解除する、という判断自体は間違いではないと私は考えています。とはいえ、物価の上昇に賃金の上昇が、追いついていないという懸念はあるでしょう。
物価の上昇についても外部要因があるので、実際に経済が成長した上で物価が上がってるのかという指摘もあると思います。個人的には以下の記事にある通り、小手先の政策だけでは根本の解決が難しく、経済が成長してるという実感を得るところまでいかないようには感じます。

www.rieti.go.jp

物価と賃金の好循環は、これまで述べてきた構造的な要因が変化していないことを考慮すれば、決して簡単ではないとわかる。加えて、物価と賃金の好循環が実現したとしても、実質賃金が上がる保証はない。結局、日本経済の課題を追うと、メンバーシップ型雇用およびそれと強固に結び付いてきた横並び・同質的な企業戦略の見直しにたどり着くのである。

構造的な要因の一つとして挙げられるのは、以下の記事で挙げられているいわゆるゾンビ企業の存在です。もちろんゾンビ企業と呼ばれている会社も努力してないわけではないと思います。しかし、日々の営業できちんと利益が出ないのは、厳しい部分はあると感じます。

xtech.nikkei.com


ゾンビ企業も、元々そのようにしたかったわけではないでしょう。しかし、どの分野でも競争が激しくなり、ブルーオーシャンのような状況でビジネス出来るというほうが稀かもしれません。
レッドオーシャンの状況でビジネスを続け消耗しても、ゾンビ企業になるリスクは高いように感じます。とはいえブルーオーシャンにビジネスを変えていくというのは、中々簡単ではありません。競争戦略を考える時にQCDの観点で競合を意識しがちと思いますが、以下の記事にある通りそれだけではブルーオーシャンを実現することは難しいような気はします。

www.crescent-acc.com

既存の付加価値をコストをかけて高めるだけでは、レッド・オーシャンを脱出することはできません。価値にかかわる要素を「増やす」「付け加える」だけでなく、「減らす」「取り除く」ことをしない限り、ブルー・オーシャンを発見することは極めて困難

既存の製品やサービスの延長線上では実現できないという点では、新たな観点や技術も必要になるでしょう。この時に必要と私が考えるのが、広い情報収集や多様な人材なのですが、ゾンビ企業の状態でそこに視点を向けられるかというと難しいかもしれません。ブルーオーシャンに行くためには、ある種の自己否定が必要であり、自己否定するためには新たな観点を得られる状態を作るのが大事と感じます。じゃあ、その状態をどうやって作るかというのを、後日あらためてもう少し書いてみたいと思います。