とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

昨今(2023年4月時点)の海外銀行の破綻に思うところ

少し前ですが、海外の銀行で破綻や危機といったのがニュースになっていましたね。アメリカであればシルバーゲート銀行やシリコンバレー銀行など、スイスであればクレディ・スイスです。インフレ傾向から、各国が利上げを行った影響ももちろんあるとは思いますが、個人的には別に根本要因として感じてることがあって、今回はそのことについて書いてみます。
アメリカの銀行もクレディ・スイスも、危機に陥った直接的な原因は、信用不安による預金の急激な引き出しと考えています。これだけ情報の拡散が容易な時代なので、利上げ等の不安要素をトリガーに、預金を引き上げる顧客が急増してしまうのも致し方ない面はあります。

jp.reuters.com


では、なぜ信用不安が積み重なっていったのか。まずクレディ・スイスを少し掘り下げると、直近で急に信用がガタ落ちしたというわけではないと私は考えています。以下の記事で触れられている通り「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」であったり「グリーンシル・キャピタル」の破綻で損失を出していて、かなり問題視されていました。

www.coindeskjapan.com


アルケゴスの問題は、2021年に日本でも少し話題になりましたね。野村證券も3000億円程度の損失を出したと言われています。グリーンシルは、そこまで話題になった記憶はありませんが、ソフトバンクが投資していた会社です。クレディ・スイスは、グリーンシルに投資していたソフトバンクを訴えようとしたりしています。

www.bloomberg.co.jp


次にアメリカの銀行についてです。破綻についてシリコンバレー銀行が取り上げられることが多いですが、個人的にはシルバーゲート銀行の破綻が一連の破綻のトリガーかなと思っています。シルバーゲート銀行は昨年話題になったFTXの破綻で打撃を受けてしまい、利上げの環境もあってか、預金引き出しが急増した流れかなと考えています。

jp.reuters.com


2023/3/8にシルバーゲート銀行が清算を発表した翌日に、シリコンバレー銀行の取り付け騒ぎが起きてることから、この両者はやはり関連してるのかなと個人的には感じています。シリコンバレー銀行も、スタートアップへの融資で知られていて、適切なところに資金提供できていたのか個人的には疑問を感じています。

さて、諸々書きましたが、信用不安の根底にあるものとして、仮想通貨やスタートアップベンチャーへの不信感があると個人的には感じています。特に仮想通貨界隈で目立つポンジ的なやり方は、私は問題視しています。資金の提供側も、安易に稼げそうだからという判断ではなく、そのビジネスでどういう価値で生み出しているのかという見極めを、より一層求められてる気はします。
また、昨年も以下の記事で書きましたが、甘い見通しで資金を調達し、赤字上等でスタートアップを大きくするやり方は、ぼちぼち限界と考えています。もちろん、このやり方で成功している会社があるのは事実ですが、かなりの数の失敗があるのも推測されます。日本でもソフトバンクベンチャー投資に失敗していまして、事業のたいした吟味をせずに期待値だけで投資すると痛い目に合ったという例だと思います。

toaruit.hatenablog.com