とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

資金調達ラウンドに関する所感

資金調達に関して以前に、このブログで手段的なことを取り上げましたが、

toaruit.hatenablog.com

今回はベンチャーが出資や融資を受ける際の、資金調達ラウンドについて、少し所感を書いてみます。
まず資金調達ラウンドの概要について、以下の通りにまとめられています。調達金額を見てもらえば分かる通り、フェーズが進んでいくに従って金額も大きくなっていっています。ベンチャーキャピタルから出資を受けるのであれば、当座の目標はIPOということになります。

paid.jp

下記の記事によると、会社設立からシリーズCまでいくのに、SmartHR社で6年くらいという期間の感じです。この資金調達ラウンドの流れに乗せるのであれば、出資を受けていかに早く事業をグロースさせるのかというのが求められます。

initial.inc

もちろん事業がグロースするのが見えていて、そこに金と人を突っ込めば売り上げも上がるということであれば、資金調達ラウンドの流れに乗せる選択は十分にありでしょう。ただ、それは選択の一つであって、金を調達することが絶対的に善であるとはならないと思います。下記の記事にあるように、大きな資金調達ラウンドを行わずに、大きくなった会社もあります。

coralcap.co

大事なのは資金調達ラウンドにのせることではなくて、下記の記事にある通り「そのビジネスモデルが、資金調達に向いているかどうか」を見極めることだと私も感じます。それを疎かにし、聞こえの良いことばかり言って資金を集めるのは、やはり自分は好きではないです。

linough.com

資金調達や借金をして事業を大きくすることが、善であるような論調をたびたびみかけます。もちろん、ケースによってはその選択は正しいですが、全てのケースに当てはまるわけでは無いと私は感じます。まず考えるべきはいかに事業を進めていくかであって、どうやって資金調達すべきかではないと考えています。

この「いかに事業を進めていくか」が、スタートアップでは大事と私は考えます。ここの見通しが立たないまま資金調達を行なってしまうと、どこにどう資金を投資するか、いかにグロースさせるか、といった実行が後手後手になってしまうように感じます。特にグロースについては、ある程度確度を高めた状態で資金調達を行わないと、苦しい感じはするかなとは思います。資金調達をしてから、さあどうしようかでは、やはりスピード感が出ないし失敗するリスクも高くなるような気はしています。