とあるIT屋の独白

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日本でのトリクルダウンについて考察(2023年時点)

少し前ですが、アベノミクスの指南役と言われている浜田宏一米エール大学名誉教授の、トリクルダウンに対する考えが記事になりました。結果的に2023年においてトリクルダウンが十分に起きてなく、想定外と話しています。

www.tokyo-np.co.jp


そもそも、トリクルダウンとは何なのか。下記の解説記事にある通り、大企業や富裕層が豊かになれば、下請けであったり労働者にも恩恵が生まれるという考え方です。

www.smd-am.co.jp


実際に、アベノミクス第一の矢・金融緩和政策により、市場に資金を流通させたのですが、結果どうなったか。前にブログ記事に書きましたが、たしかに資金の流通量は増えたのですが、そこから先の資金需要が伸びずに、投資も呼び込めなかったという形になったかなと感じます。

toaruit.hatenablog.com


つまり、資金はどこかにあるけど、使われないといった状態になってると言えます。使われない以上は、トリクルダウンが起きようがありません。資金があっても使われない状態というのは、まぁ予想できなかったことなのかもしれません。

金を持ってる人も投資しようとしなかったというよりは、何に投資してよいか分からなっかという状況の方が近いかもしれません。AIやWeb3やメタバースなど、パッと見目新しいものはある感じはします。ただ、これらに投資すれば利益を生み出せるか、今後の事業の柱になりうるかは、かなり不透明なところではあります。おそらくお金が余ってる会社は、PoCのような感じで試しに少し投資くらいはしてると思いますが、リスクを取って大々的に投資する規模にはつながっていない感じはします。
一昔前に比べて流行りのスピードが明らかに速いので、中々思い切った投資がしにくいというのも分かります。個人的には流行りものに投資するよりは、前に書いた通り教育や研究開発に投資するほうが、長い目で見て良いのではと感じます。

toaruit.hatenablog.com


今すぐ利益を得られるものとういうよりは、例えば10年後・20年後のために今何に投資するか。より抽象度の高いものほど、企業の理念や目的が試される部分かなと思います。流行りものではなく、いかに将来のためのシーズを掘り起こすかという点について、もっと議論されても良いかなとは感じています。