とあるIT屋の独白

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地方銀行の行く末を考えてみる

地方銀行のトピックを見かけると、「再編」であったり「赤字」であったり、最近はあまり景気のよい話は聞きませんよね。前に取り上げた通り、銀行自体のビジネスも転換をせまられてる状況の中、地方銀行もかなり厳しい環境にいるといえるでしょう。

toaruit.hatenablog.com

 

さて、地方銀行のそもそもの存在意義とは、どのようなものでしょうか。下記の記事に詳しくまとめられているのですが、個人的には「特定の地域に融資をすることで、地域が発展し成長する」であったり、「特定地域社会に根強く営業しているので、地域の人々と厚い信頼関係を持っている」といった点が大きいのではと考えています。

www.ic.daito.ac.jp

 

つまり、都市銀行が持っていない人脈や情報を持ち、関係を構築した上で融資を行うというのが地方銀行のモデルだったと言えると思います。そんな地方銀行ですが、大都市圏でない地方はコロナ前から業績は危ない状況となってるところもあるそう。
下記の記事によると低金利によって融資自体の利益も減っているかつ、個人的には安心して貸し出せる企業が地方から減っている傾向にあるのではと感じています。結果、地方銀行は融資ではなくCLO等のリスク資産への投資に手を出し、赤字となっている状況らしいです。

toyokeizai.net

 

そんな地方銀行に積極的に出資してるのが、SBIです。SBIの大きな目的として考えられるのは、地方銀行がおさえている地方の富裕層の資産です。富裕層にSBIの商品を販売できる機会が得られる、かつ安値の株に対する出資なので仮に地方銀行が倒れたとしても、優良顧客を囲いこめるというメリットは残るわけです。

www.itmedia.co.jp

 

また、SBIの社外取締役には、みんな大好き竹中平蔵さんがいます。今後、どうなるか分かりませんが地方の企業に対して貸し剥がしが、行われる可能性は否定できません。貸し剥がしが行われることで企業が倒産し、職を失った人を安い労働力として買い叩く、というようなシナリオも考えられなくはないと思っています。

news.nifty.com


SBIとしては販売機会が増えるし、地方銀行にとっても商材が増えるのとSBIの基盤を使えるというメリットがあるので、彼らにとっては悪い戦略ではないと感じます。ですが最初に述べた通り、地方銀行は地域の経済発展という社会的使命をおびています。地方企業に対する資金の供給が、行われなくなったらどうなるか。今日本で懸念されてる一極集中が、より進む可能性もあります。
彼らが今後いかに地方経済に貢献していくのかそれともしないのか、SBIや地方銀行の動向を今後も注視していく必要があると感じます。