とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

企業の多角化とIT

多角化と聞くと、日本だと昔の財閥のような企業体を私は思い出します。多角化自体は事業のリスクを分散する上で手段の一つではあると思いますが、一方で関連の薄い事業をやると、企業体の強みが発揮できない可能性がある弊害も挙げられます。例えば下記の記事にあるようなアメリカのRCA社や、最近だと日本のライザップのM&Aの失敗などが挙げられます。

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さて、IT関連の企業はどうかというと、GAFAのような大規模企業は連日のようにM&Aのニュースが流れてきます。各々の企業、事業は多岐にわたっていてある種の多角化のような形といえます。ただ、そういった事業形態であるにもかかわらず、今現在も成長を続けています。

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これは最近台頭している中国企業でも同様で、一事業に特化というよりはIT関連でコアとなる事業プラスアルファでM&Aをして事業を広げています。最近は政治情勢の影響もあって今後どうなるかは不透明ですが、こういった戦略自体は現在のところスタンダードになりつつあるかなと感じます。

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ではなぜ旧来型の多角化は失敗して、IT関連の多角化は今のところ成功しているのか。それは旧来型で括られていた業種の意義が薄くなってきたからと考えます。例えば「書籍」と「音楽」の事業を分けて考えるのか、コンテンツ事業として括るのかと考えるのか、で取りうる施策も変わってきて、IT関連の多角化では後者のような見方をすると感じます。関連が薄いと思われる2つの事業も、ITを使ってある種の掛け合わせすることで新たな価値が出てきて、そういうことが出来る企業が残っていくように感じます。外国と比べて日本はまだまだこういう取組みが少ない気がするし、逆に考えるとまだまだ成長の余地があると言えると思います。

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