とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

価値観とは何かについて考えてみる

価値観が合わないと、よく言われるものですが、この価値観と呼ばれるものは何なのでしょうか。言葉をそのまま解釈すると、何に価値があるかを判断する基準のようなもの、となるのですが、そんなのは人によって違うほうが多いし、それが合わないからといってなぜ人付き合いであったり、会社での仕事を辞めることにつながるのでしょうか。今回はこの点をもう少し深堀りしたいと思います。
価値観という言葉を別の言葉で表すと、「好き嫌い」が一番近いかなと私は考えます。下記の記事の通り、「価値観」と表現すると多少は高尚な印象になりますが、突き詰めていくと結局は「好き嫌い」と同義になるように思います。

www.vive-la-vie.jp


 何かの判断を行うときに好き嫌いは大事で、どんなに論理的な裏付けをしても、最終的な判断は好き嫌いによると私は考えます。ただ、好き嫌いは時に人との衝突を引き起こして、自分の嫌いと相手の好きが対立した時は、収集がつかなくなるわけです。この対立こそが、価値観が合わない原因となると私は考えます。

mgkkk.hatenablog.com


会社においても論理的に見えて、最終的にはこの「好き嫌い」が戦略のキモになっていると思います。下記の記事にあるユニクロZARAの戦略の違いは、分かりやすい例になるかと思います。会社で働く従業員も、会社における大まかな好き嫌いに共感できるかというのは、けっこう大事になってくると感じます。

logmi.jp


システム開発の会社で例えると、自分は実装をちゃんとやりたいと思っていても、会社は上流の案件をメインでとってくるとなった場合、やはりそこに好き嫌いの齟齬がある可能性があります。上流メインの戦略も、実装含めてやる戦略も良し悪しはあって、最終的にどちらをとるのかは、その会社における好き嫌いが大きく関わってくるのかなと私は感じます。

システム化とデータ

業務のシステム化というと、紙で管理している内容をデータ化する、というケースが多いと思います。もちろん、これによって効率化は実現できると思いますが、効率化だけだとせっかくIT投資したのに少しもったいない気はします。
下記の記事にもありますが、デジタル化の対応が業務プロセスの電子化にまだまだとどまっていて、データの活用が不十分と述べられてます。

www.atmarkit.co.jp

 

活用が不十分になる要因として、そのデータが気軽に参照できない、というのが挙げられます。私が今までいた会社では、社内のほとんどのデータは社員がアクセスできませんでした。だれが退職したかも、分からなかった時もあります。。
もちろん、全データを公開するのは難しいとは思います。ただ社員がデータを見れないということはデータを管理するというモチベーションも生まれないし、公開できるところは公開すべきと私は考えています。また、仕組み的にもデータレイクのようなものを入れて、参照しやすい形で持たせないと中々活用も進まないのではと感じます。

www.itmedia.co.jp

 

最近は「データレバレッジ経営」と言われてる通り、経営者が諸々の判断する上でデータの活用がより重要になってきてます。もちろん経営層が把握することも大事ですが、社員側もどのようなロジックでその判断がくだされたのか、認識することは大事だと考えます。お互いが共有されたデータを元にコミュニケーションをとることで、互いの理解が深められるのではないでしょうか。

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UGCとは何か

マーケティングの記事を見かけると、最近たびたび目にするのが、「UGC」という単語。今回はUGCについて少し調べてみたので書いてみます。
UGCとは下記の記事の通り、「User Generated Content」の略で直訳すると「一般ユーザーによって作れられたコンテンツ」になります。UGCの範囲としては、口コミからSNSなどの投稿までけっこう幅広いです。簡単にできる投稿などもコンテンツの一部になるというのがポイントですね。

www.hottolink.co.jp


実際にどういうふうに企業が活用しているのか、というのが下記の記事にあります。ハッシュタグを付与したインスタ投稿とかは、けっこう見かけるかなと思います。また、ユーザが投稿したインスタを企業側が収集して、自社サイトなどに掲載する取り組みも、ちょくちょく見かけますよねぇ。

martechlab.gaprise.jp

 

なぜUGCが重要になってきてるかというと、D2Cのモデルが浸透してきたから、というのが下記の記事。IT環境が整備されるようになって、オンラインで顧客と直接つながることが非常に容易になってきてます。
その手段の一つとしてSNSが最も使われているのが現状で、SNSをどう活用するかというは考える必要があるでしょう。ユーザ側も商品・サービスを購入すれば発信を行っていきますし、こうした発信がUGCとなっていきます。UGCをいかに生み出せるかというのが、仕掛けとして大事なポイントの一つな気はします。

markezine.jp

 

以下の記事にあるジョンソンヴィルというブランドは、UGCの数をKPIとして置きマーケティングの施策を行ってたりします。KPIを伸ばしていった結果、売上も伸びているそうで、UGCを上手く使ってプロモーションを行うのも検討に値すると思います。

markezine.jp

 

 

デジタル庁について書いてみる

菅さんが新しい首相となって目玉政策の一つが「デジタル庁」です。既にけっこう色々なことが言われてますが、今回はこのデジタル庁について、思うところを書いてみたいと思います。
まず、デジタル庁ってそもそも何やるの、という点。以下の記事にざっくり書いてますが、まずはマイナンバーの普及。マイナンバーを軸として、保険証や免許証もデジタル化していき、データを一元化できるようにするのが当座のゴールという感じです。

www.j-cast.com

 

デジタル庁の取り組みについては、個人的にはメチャメチャ良いと感じてます。一個一個カードとか書類を管理するのは、すごくナンセンスだと思ってるので、本当に一日でも早く実現してほしいです。ただ、このミッションちゃんと実現できるのかってのは、今の状況だとかなり怪しいと思ってて、この点についてもう少し書いてみます。
少し前に話題になった給付金の申請システム、10日でやれと言われて開発したものの、当初は不具合続きでした。こういったやり方をしてると現場は疲弊するし、アジャイルという名の元で品質が担保されないシステムが生まれてくのは、さすがに違うかなと感じます。

xtech.nikkei.com

 

じゃあ何でこんなことが起きるのかというと、発注側がシステム開発のノウハウが足りてないことに起因してると私は考えます。給付金のシステム開発は外部ベンダーへの発注と推測されますが、金は出すからとにかく速く作れと言って作らせた雰囲気はあります。もちろんスピードは大事ですが、システム開発の経験がある人ならかなり無謀なことと考えてしまうものであり、そういった勘所が分かる人材が役所では足りてないように感じます。
下記のツイートにある通り、役所のIT環境もレガシーな状態みたいです。こんな状態でITに強い人を育成するのは難しいだろうし、民間からも来たいという人はまぁ少ないでしょう。


というわけで、菅さんがやろうとしてること自体はすごく良いけど、それを実行にうつせる人材が不足してる、というのが現状だと思います。とは言いつつ、進めなければいけないので、どうすればいいのかというと、下記の記事にあるような東京都の取り組みが参考になる感じはします。東京では元ヤフー社長の宮坂さんが、副知事になってITの取り組みを行っています。

www.fnn.jp


東京ではエンジニアを役所で確保する取り組みと同時に、議会のデジタル化やITインフラの整備も進めています。議会のデジタル化は、めっちゃ大事だと思ってて、ITを推進する自分達自身が有効活用しようという意識を持つことが大事と思います。
やはり、民間でITの経験を積んだ人にいかに権限を与えて実行させるのかは大事で、国でもそういう取り組みは行っていくと思いますが、今後どうなるか注視したいです。

若者の自殺が多いことへの危機感

今年に入ってから、若い年代の芸能人の方が自殺するニュースが増えてる気がします。さすがに、これだけ続くと仕組み的に何かしないとダメなのではないか、という危機感を個人的には感じてます。自分が歳をとっていく中で、自分より若い人が命を絶つのはツラく感じるし、それは全く他人事ではなく自分もそのような状況に追い込まれる可能性がある、という恐さも感じています。
日本全体での自殺者数は減っているものの、若者の自殺が増えていると、下記の記事にあります。学校でも家庭でも悩みを相談できない状況にあって、思い詰めてしまう傾向があるのかなと感じます。

www.nishinippon.co.jp


悩みを人に相談できない理由は、諸々あると思います。下記の記事では、そもそも話せる人が周りにいないといった要因や、性格的にあまり自分のことを話したくない、といったものが挙げられています。

note.com

 

私が気になったのは、「男性型のコミュニケーション」で、この点もう少し掘り下げたいと思います。
コロナもそうですが、今の時代変化が速くて何が正解か分からず、困ることも多くなってきてる気がします。ただ、こういった困ったことの相談を弱みととらえてしまい、中々言い出しにくいといったことがある感じはします。

type.jp


ではなぜ言い出しにくいかというと、世の中でオープンでやりとりされているコミュニケーションが、正義という秩序に基づいてやりとりされているからだと私は考えます。もちろん、これが悪いことだとは思ってなくてむしろ良いことだと思います。秩序がない状態というのは最悪なので。ただ、この正義からちょっと外れてしまうと、とたんに自分が批判の的になる恐さはあると思います。
特に若い人はまだ物事の良し悪しが分からず、自分もしくは周囲の人が批判の的になることもあるでしょう。そういった人達に対して、ある種受け入れることができる受け皿は必要で、それは既存のSNSとは別にあってもいいと私は考えてます。今の既存のSNSでのコミュニケーションをすぐに変えるのは難しいので、まずはどこか相談できる場を別に持つのは意義があることだと思います。

企業の多角化とIT

多角化と聞くと、日本だと昔の財閥のような企業体を私は思い出します。多角化自体は事業のリスクを分散する上で手段の一つではあると思いますが、一方で関連の薄い事業をやると、企業体の強みが発揮できない可能性がある弊害も挙げられます。例えば下記の記事にあるようなアメリカのRCA社や、最近だと日本のライザップのM&Aの失敗などが挙げられます。

note.com

 

さて、IT関連の企業はどうかというと、GAFAのような大規模企業は連日のようにM&Aのニュースが流れてきます。各々の企業、事業は多岐にわたっていてある種の多角化のような形といえます。ただ、そういった事業形態であるにもかかわらず、今現在も成長を続けています。

irnote.com

 

これは最近台頭している中国企業でも同様で、一事業に特化というよりはIT関連でコアとなる事業プラスアルファでM&Aをして事業を広げています。最近は政治情勢の影響もあって今後どうなるかは不透明ですが、こういった戦略自体は現在のところスタンダードになりつつあるかなと感じます。

glotechtrends.com


ではなぜ旧来型の多角化は失敗して、IT関連の多角化は今のところ成功しているのか。それは旧来型で括られていた業種の意義が薄くなってきたからと考えます。例えば「書籍」と「音楽」の事業を分けて考えるのか、コンテンツ事業として括るのかと考えるのか、で取りうる施策も変わってきて、IT関連の多角化では後者のような見方をすると感じます。関連が薄いと思われる2つの事業も、ITを使ってある種の掛け合わせすることで新たな価値が出てきて、そういうことが出来る企業が残っていくように感じます。外国と比べて日本はまだまだこういう取組みが少ない気がするし、逆に考えるとまだまだ成長の余地があると言えると思います。

gendai.ismedia.jp

正義についてあらためて考えてみる

昨年になりますが、本ブログで正義について書きました。 

toaruit.hatenablog.com


この内容をあらためて読んで1年経ってなんか変わったことあったかなと思ったのですが、まぁあんまり変わったこともなく、相変わらず巷では正義を振りかざすような争いが繰り広げられているわけです。というわけで今回は、もう少し根本的な部分で正義ってそもそも何だっけってのを書いてみたいと思います。
正義って何かというと「正しいこと」です。ってそんなこと分かっとるわっていう話ですが、ではこの正しいことは何をもって正しいことと判断されるか。下記の記事によると、「平等」、「自由」、「宗教」が正しさを判断する基準となるとされています。

diamond.jp


平等と自由は分かりやすいと思います。歴史上の出来事でも、フランス革命天安門事件などなどあり、民衆側の気持ちはまぁ理解できるという人は多いと思います。問題なのは宗教で、宗教は昔から今に至るまで火種の元となってるし、実質無宗教の日本から見ると理解が難しい判断基準だと思います。ただ、日本でも似たような争いが小さいながら起こっていて、宗教とはいかないまでもお互いの思想や考えの違いによるものが原因と私は考えています。この点、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
仕事の場において、下記の記事のような衝突に出くわした経験は、かなりの人がしていると思います。一方が主張する方法論に対し、他方が疑問に感じていて、そのような状況でプロジェクトの成果が上げられないというものです。

diamond.jp


このような場合、どっちかが絶対的に正しいということはないと思っていて、衝突したところでいわば宗教戦争の様相になるので、どうすれば良いかというのは難しい問題です。
一つの解としては、下記の記事にある我慢すること。一方の主張が自分と相容れない場合、無理して共感するとか衝突するのではなく、それによって自分の中で生じる不愉快さを我慢する、というのが必要になってくるのではないでしょうか。

logmi.jp


これは私の感触ですが、こういった争いは昔より増えてきていると感じています。なぜ増えてきてるかというと、ある程度決まったルートをたどれば成功できた昔と違って、正解が分からない世の中になっているからです。正解が分からない以上、各々の主張は絶対的に合ってるとも間違ってるとも言えず、結果的に衝突が起こってしまうものと考えます。
このような状況だからこそ、ある種の我慢が必要で、もちろん必要な主張はすべきではあるのですが、抑えるところは抑える。そういう意識を持たずに自分の主張ばかりを押し通すのは、良い結果が生まれないのではと感じます。また、これからもっと正解が分からなくなる時代になってきて、その中で今ある自分の知識や感性のみで突き進んでいって、それだけで生き残っていくのは難しいのではないかと私は思います。