とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

違和感を大事にすること

前回の記事では、小林製薬の紅麹の事案を取り上げ、ガバナンスへの意識が重要というのとボトムアップでの意見集約が重要と書きました。

toaruit.hatenablog.com

また、以前に書いた記事でもコンプライアンスの取り組みにおいては、企業風土的な面が大事と書きました。

toaruit.hatenablog.com


今回は似たようなテーマではあるのですが「違和感」にフォーカスを当てて、ガバナンス的なことを少し書いてみたいと思います。

メンバーから意見を吸い上げるためには心理的安全性が大事とよく言われますが、安全性を高めるだけでは機能しないケースもあると私は考えています。それは安全性を重視するあまり、「余計なことを言わない」という方向に働く可能性があると感じます。この「余計なこと」が重要な情報であることもあって、特に「違和感」については少し慎重に吟味すべきではないでしょうか。

unite.unipos.co.jp

だからこそ、違和感を覚えたときに「ちょっとおかしいのでは?」と言ってみることが大事です。もしかすると袋だたきにされるかもしれないですが、まずは言ってみる。

この「違和感」は以下の記事にあるように、リスクマネジメントにおいて重要な要素と私は思います。これを放置することがクリティカルなことにつながりかねないという意見は、その通りと考えています。いかに向き合うかというのは、事故を防止する上で考慮するべきことと感じます。

www.jri.co.jp


一口に違和感とは言っても、単純に考え方が合ってなかったり、認識に齟齬があったりというケースもあるでしょう。クリティカルなものよりは、そういうもののほうが多いとは思います。
また、組織にいるにあたって、違和感をゼロにすることは難しいでしょう。何らか腑に落ちない点があるのは正常だと思います。ただ一方で、違和感に対してそもそも情報が足りてないかという観点は重要と感じます。以下の記事にある通り、その違和感が情報不足によるものというのは少なくないように個人的には考えられるからです。

konifar-zatsu.hatenadiary.jp


意見を集約し、最終的な判断を行うのは権限がある人だと私は考えています。権限ある人がきちんと違和感を汲み上げるのは大事である一方、メンバーも自身が感じる違和感に対して必要に応じて情報収集等を行うことも大事だと思います。自分が感じる違和感について、解決できる可能性が一番高いのは自分自身です。そこをさぼらずにきちんと深掘りしていく姿勢が、大きな事故を防ぐ第一歩なのかなと感じます。