とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

コンプライアンスと企業風土

けっこう前ですが、このブログでコンプライアンスについて取り上げました。この時はコンプライアンスは、法律だけ守れば良いというものではなく、「モラル」であったり「正しさ」が大事と書きました。

toaruit.hatenablog.com


上記の記事を書いてから数年経ちましたが、コンプライアンスに関する問題について、感覚的に減っているようには思えません。そもそも法律を破っているケースもそうですが、法律はギリギリ守ってるけどそれってやっちゃアカンよね、というケースもある気はします。
個人的にはコンプライアンスの問題で良く見かけるのは三菱電機で、下記の記事にあるような検査不正などです。ただ、今まで出てこなかったこういう問題が、ぽつぽつと表面化するようになってきて、ある種改善のきざしも出てきてるようには思います。三菱電機では社長も変わって、こういった事態の改善に「企業風土の刷新」をあげていたりします。

www.netdenjd.com


この企業風土や文化と呼ばれるもの、どういうものかはなんとなくイメージつくと思いますが、掘り下げて考えたことはあまりないのでしょうか。下記の記事で詳しく解説されてますが、ルールや手順などはハード、働き方や行動特性や価値観などをソフトと位置付けています。言うまでもなく、企業風土はこのソフトにあたるものです。

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もちろんハードを変えることで、ソフトも変わるという側面はあると思いますが、コンプライアンス的なものは、いくらルールを作っても軽視されてしまう気はします。それは、現場の人にとっては成果を上げることが大事で、成果に結び付かないものは二の次となるからかなと私は感じます。
下記の記事にもありますが、ソフトの部分を根本的に変えようとおもったら、「インテグリティ(高潔さ、誠実さ、真摯であること)」を、いかに醸成させるかという話にはなってくると思います。成果をあげることはもちろん重要なのですが、一方で直感的にこれはマズいなとか、こっちのほうが適切だなといった感覚も大事かなとは思います。

toyokeizai.net


もちろん利益をあげるためのロジックは大事だし、ロジックなくビジネスを行うのはあり得ないのですが、いざという時の直感はけっこうバカにならないと私は考えています。成果を追い求めるばかりで、判断の軸となる直感がマヒした結果起きるのが、検査不正のようなコンプライアンス無視であり、自分にとって何が善悪かが定まらない思考停止だと思います。

成果やルールは大事ですが、それと合わせて一人一人が思考停止にならないこと、思考停止させないことが大事な気がします。自分の善悪の判断が仕事において歪められてしまうのは不健全だと思うので。究極的には、仕事の成果と自分の善悪の価値観どちらを優先させるかとなった場合、やはり自分の価値観を選択できるような状況にはしておきたいですよね。