とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

プラットフォームビジネスについて思うところ

2023年の12月に東芝の上場が廃止されました。もう何年も経営が混乱している東芝ですが、一旦非上場にして仕切り直しといった形になるようです。社長は引き続き島田さんが行われるそうです。経営の方針としては現状と大きく変わらず、デジタルに重点を置くといった形になるかなと思われます。

www.bloomberg.co.jp


さて、デジタルといってもITでのビジネス領域は広くなっているので、具体的に東芝がどのような戦略になるのかという点です。一つ挙げられるのが数年前に島田社長が語っていた、プラットフォームビジネスです。いわゆるGAFAのようなビジネスモデルを目指して、集めたデータを基点にしてユーザが集まるプラットフォームを作る、といった感じです。

xtech.nikkei.com


さて、ここで言っているプラットフォームとは何か。島田社長の真意は私は分かりませんが、取り急ぎここでは以下の記事にある、

www.kbb-id.co.jp

プラットフォーマーが提供するシステム・サイト上に、個人や法人がが参加し、それぞれ需要者、供給者としてコミュニケーションや取引をおこなうビジネス

とします。
ではプラットフォームビジネスの、2024年1月時点での雰囲気はどのような感じか。個人的なは感覚としては、数年前のようにユーザーを一度集めれば勝ち、とはならない気はしています。例えば少し前に流行ったクラブハウスなんかは、勧誘目的などのいわゆるジャンクなルームが一つの要因となって、一時期の勢いは失われています。

wired.jp


また、Web3についても、現時点ではクラブハウスと似た状況と私は考えています。元々価値がそれほどないものをNFT化して稼ぎ続けるというのは、そりゃどこかで無理はでてくるでしょう。そのようなよろしくないユーザーが多ければ、プラットフォーム自体の信頼性も損なわれます。

president.jp


ネットワーク効果自体は現在でも強力ではあるのですが、その質についても重要性が上がってきてるように感じます。ユーザーを多く集めてその質を担保するというのは難しくなっていると考えていて、GAFAであっても十分にできてないと私は考えています。そのような状況で、量も質も既存サービスを上回るようなプラットフォームを作るのは、かなりチャレンジングとは思います。
ユーザーを多く集めようとすると、敷居を下げる必要があって、敷居を下げると悪意のあるユーザーが入り込むリスクは出てくるでしょう。現在の状況でプラットフォームビジネスでちゃんと勝負するとなると、ある程度ネットワーク効果は捨てる必要があるように思います。

最近少し感じるのは、抱えている課題や一緒にビジネスやれそうな人について、ネット等である程度調べれば情報にたどり着けることも今は珍しくないと考えています。そのうような中で、そもそも新しいプラットフォームが必要なのかという点はあります。ただ、ネット等で得られる情報の真偽について正しく判断するのは、やはり難しい部分はあります。
東芝についてデータを持っているのであれば、まずはどう有意義な情報を提供できるかという点が大事と思います。それは単純にデータをオープンにするだけではなく、どう活用するかという観点も含めてです。その情報が個々の事業の利益にどう役立てられるのか、自社やパートナー等の事業でこれを証明していく必要があると考えています。それが確立できれば、無理にプラットフォームを作らなくても、ユーザーを獲得することは実現性はあるように感じます。