とあるIT屋の独白

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プロセスエコノミーからの転換

最近はいわゆる「プロセスエコノミー」と呼ばれる、プロセスに対する価値をビジネスにつなげる、といったことがちょくちょく見られます。例えばクラウドファンディングであったり、オンラインサロンなんかは代表例でしょう。

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プロセスエコノミーで、日本で最も成功した会社はメルカリかなと思います。元々のコンセプトとして、ただのフリマアプリというよりは、どういう人がどういうものを出品してるか見て楽しむ、ような仕掛けとして考慮しているそうです。

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このプロセスエコノミーがブームになったきっかけとしては、マーク・ザッカーバーグの力が大きいように、個人的には感じます。彼が作ったFacebook自体が、プロセスエコノミーに使用するツールだし、Facebookを開発したストーリーも映画化されたくらいなので。
ただ、このプロセスエコノミーのやり方が、メタバースをやる時には大コケしています。まだ完全ではない状態で公開するのは、Facebookと同じような感じのやり方でした。それに対して、大衆の関心を得ることができず、現状かなり厳しい状況となっています。

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SNSYouTubeのような動画投稿の広がりによって、プロセスエコノミーをやること自体は、一昔前と比べて格段に容易になりました。そこで参入する人が急増して、プロセスエコノミーをやることが、陳腐化してしまったように感じます。なので、単純にプロセスを見せるだけでは、差別化要因にはならないと言えるかもしれません。

では、プロセスエコノミーの次の段階について考察してみます。個人的には、どういう思想・目的なのかをきちんと表現することが、重要な感じがしています。いわゆる、ウケや炎上狙いの投稿は大衆も嫌になってきていて、批判の対象となっています。単純に、目立ちたい、金がほしいといった安直な動機では、人を引き付けるのは難しくなっているように感じます。
Metaも、メタバースをやろうと決めた動機が、あまり深堀りされていないように私は考えています。なんとなく、流行るだろうみたいな雰囲気で投資を決めてしまうのは、やはり今の状況だと厳しい結果になるなと感じました。どういうジャンルのものであれ、何を目的として何を伝えるのかを明確にする。コンテンツの手法的な作り方というよりは、しっかりとした動機を伝えることが、プロセスエコノミーを一段先に進めるように思います。