とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

ITエンジニア不足とDX

こちらの記事はジャンルなしオンラインもくもく会 Advent Calendar 2023の23日目の記事になります。

adventar.org


さて、巷ではまだまだITエンジニアが不足していると言われています。ITエンジニアの仕事については、スクールなど学ぶサービスも一昔前よりも増えてきましたし、認知度も高まってるようには感じます。なりたそうな人はそれなりにいそうなのに、いまだにITエンジニア不足と言われてるのはなんなのか。今回は、私が感じるところを少し書いてみます。
とりあえず、エンジニア不足に関する記事を一つ以下に挙げます。これによるとSIerなどIT関連会社でDX案件が増えており、これに対応する人がいないという状況な感じなようです。

xtech.nikkei.com


エンジニアが足りないという部分が議論されがちではありますが、そもそもDXってなんなんだよという話から始めないと、中々問題の解決には結びつかない気はします。以前にこのブログでもDXについてふれましたが、基本的には以下の記事にあるような、「顧客接点における提供価値の高度化」や「企業間連携におけるデジタル技術の活用」が、DXの目的かなと考えています。

www.mri.co.jp


DXと言われるようになってから期間は経ちますが、上記で挙げたようなことをDXに取り組んでいる企業で達成できているか、個人的には懐疑的です。もちろん、ちゃんと実現できている会社もあるとは思いますが、とりあえずのシステム開発をDXと呼んでる会社もあるように感じます。
では、なぜシステム開発やリプレイスをDXと呼ぶのか。個人的には日本政府のDX推進の政策に起因すると考えていて、要するにシステムに投資してDXやってる感を出そうとしてるのではということです。

www.brainpad.co.jp


実際に大企業等では以下の記事のように、ある程度DX予算を取って何か取り組みをしようとしてる雰囲気はあります。こういう進め方自体を否定するつもりはないのですが、ただ予算ありきで実際に価値が出せるかの深堀りをおろそかにするのは、個人的にはどうなんだろうとは思います。

logmi.jp


目的の深掘りをしないままDXと呼ばれるプロジェクトが立ち上げられはするものの、それによってSIer等のIT企業の案件が増えるのは悪いことではないと思います。ただ、一方でそういった案件をこなすことがITエンジニアの底上げにつながるかは、私は疑問視しています。結局は従来からある受託案件と変わらないものになってしまい、エンジニア自身の価値もそこまで上がってこない気はしています。そして、実際にエンジニアの給与はそこまで上がってはないようです。

logmi.jp


ITエンジニアがより価値を生み出せるような動きをしないと、今の状況は変わらないように私は感じます。事業会社でもSIerでもSESでも立場は何でもよいのですが、自分達が取り組んでることの価値を考えていかないと、いつまでも成長はないでしょう。もちろん、取り組み自体に当たり外れが発生してしまうのは致し方ない面はあります。ただ、目的に向かってきちんとコミットする姿勢を出さないと、価値がないものを作ってしまうことにつながるし、私自身もそういうのは良くないなとずっと感じていることではあります。