とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

アジャイルとティール組織とDAO

このブログでも、今まで何回かアジャイル開発について取り上げてきました。その際は、組織の目的や思想に沿って行動することが重要、というようなことを書きました。

toaruit.hatenablog.com


アジャイル開発においては、いわゆる「自律的」に行動することが、メンバーにおいて求められると私は考えています。その点ふまえて、今回は組織論への展開的なのを少し書いてみたいと思います。
各人が自律的に行動する組織というと、ちょくちょく話題になるティール組織が代表例かなと思います。ティール組織の一つのゴールとしては、以下の記事にあるような、

achievement-hrs.co.jp

例えば、上司がおらず、職務記述書や肩書がないということもよく見られます。経営陣がいないということもしばしばで、必要な予算を自分たちで決め、給料も自分たちで決めます。

状態になるかなと、個人的には思います。
今の日本の会社組織で一般的と思われる階層的な組織から、この状態にするというのは、いきなりは難しいでしょう。階層的な組織では、部下は上司の指示に従って行動というのが基本的な振る舞いになるかと思います。最近は少しずつ変わってきてるとは言え、まだまだティール組織の状態からは遠いかなと、私が会社組織の中で仕事してきた経験からは感じます。
では、ティール組織的な方針にしたいという場合、どのように進めればよいか。一つ参考になるのは以下の記事で触れられている、

bluelogic.jp

アジャイル開発においても、チームが自己組織化し、自律的に働くことで機能」させることが、一歩目かなと思います。個人や小さいチームで自律的な行動を積み上げることが、大事と私は考えています。
その後、組織全体に展開する際に「自律する組織(システム)がいくつも集まって大きなシステムを形作っている状態をSystem of Systems(SoS)」というような考え方を取り入れて組織的にどう運用するか、というのを考えるべきと感じます。

少し前に話題になったDAOについても、上に書いた通り、まず組織として自律的に動ける状態になってるかは大事と思います。DAOは以下の記事にあるような、システム面に目を向けられがちです。

www.caica.jp


ただ、DAO は「分散型自律組織」と言われている通り、まず自律して行動できる状態がベースとして必要ではないかと私は思います。
繰り返しになりますが、組織においてメンバーが自律的に行動するような状態を作るのは、簡単ではありません。仕組みや組織の形をまず導入することは否定はしませんが、重要なのはアジャイルで言われてるような思想が、みんなきちんと腹落ちしてるかという点です。個人レベルで自律的に行動できてないのに、組織として自律的である状態にするのはやはり無理があると感じます。
どういう形で進めるにせよ、個人にフォーカスを当てることは自律的な組織を実現することにおいて大事かなと考えています。