とあるIT屋の独白

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メタバースについて考えてみる

少し前ですが、Facebookが「メタバース」構想なるものを発表しました。そこからメディアでも、ちょくちょくこのメタバースというワードが取り上げられるようになってる気がします。
そもそもメタバースとは何かというと、下記のサイトによれば「多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できる、通信ネットワーク上に作成された仮想空間」、「アバターの行動に制約が無いことから、現実世界同様、娯楽はもちろん、コミュニティ運営、教育、広告、販売、その他のビジネスなど様々な展開が可能」といった感じですね。

japan.zdnet.com


FacebookはOculusを買収したことからも、VRの分野には力を入れて投資しています。もちろんVRの分野は今後も伸びていくだろうし、ゲーム等のコンテンツも色々出てくるとは思います。ただ、今のところメタバースについては、下記の記事によるとアナリストは懐疑的な目で見ているそう。それはビジネスとして本当に成り立つのかというのが、まだまだ練られていないと見ているからかなとは感じます。

toyokeizai.net


メタバースの考え方自体は別に今に始まったわけではなく、「Second Life」という先行事例があります。話題になっていたのがもう15年くらい前なので、おそらく今の若い人はSecond Lifeをほとんど知らないかなとは感じます。

Second Life内の通貨が実通貨と交換できたりもしたので、当時は企業も販売やマーケティング目的で使ってたりもしていました。一応、まだ今でもSecond Life自体は続いているようですが、結局はユーザ数は話題性ほど増えず、お世辞にも成功とは言えないでしょう。

www.itmedia.co.jp


メタバースのような世界観は自由度が高すぎて、ユーザが何をすれば良いか分からない、というのが広がらない大きな要因として挙げられます。ゲームやライブをVRで観るとかであれば分かりやすいのですが、これといった目的もなく自由に遊んでくださいだけだと、中々使う意義は見いだせない気はします。

その反省ってわけではないと思いますが、VRのバーチャルルームサービスを運営しているclusterではいかに人を集めるか、といった仕掛けを考慮しているそう。人がそもそも集まらなければメタバースもへったくれもないし、どう人を集めるか、なぜそれを仮想空間でやるかという意味付けが大事かなとは感じます。

jp.techcrunch.com