とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

私が考える緑黄色社会

今回は少し不思議なタイトルで書きたいと思います。緑黄色社会ってあの紅白に出たバンドでしょって話なのですが、別にバンドの内容の詳細を書くのではありません。私の独断と偏見がかなりあるポエム的なものが、今回のメイン内容となりますのでご了承ください。

さて、昨年に話題になったホストの売掛金問題。なんでホストにそんなに金をつぎ込むんだという観点と、エグい金の使わせ方をさせるという観点があるかと思います。もちろん当人達にも問題はあると感じますが、根本的には以下の記事にあるような、

somethingorange.jp

愛着形成に失敗し、そこを起点として社会から逸脱した個人は、最終的には必ず経済的な意味での貧困にも陥る。それは必然の展開である。

といったようなものが、背景としてあるのではと考えています。

愛着形成というのは何か、私の現状の所感としては良心の教育だと感じます。家庭や学校で良心を育む機会に恵まれないとリミッターがかからずに、上記で紹介したホストの売掛金問題であったり最近も記事になる迷惑YouTuberのような、いわゆる社会を逸脱した状態に陥りやすいと私は思います。
では、良心の教育とは何かというと、私は以下の記事にある「罪悪感」が重要と考えていて、

www.lifehacker.jp

建設的な罪悪感というのは、子供に権力や主体性の適切な感覚を身につけさせ、違うように行動する現実的な決断をさせるはずです。

という主張は、なんとなくその通りかなと感じます。この罪悪感が一般的に言われる「真面目」な特性と関係していると考えていて、以下の記事で書いてあるような、

note.com

真面目不真面目を分ける"罪悪感"という感情は、絶対に切り離せない。先天的なのか後天的なのかは知らないが、おそらく小さい頃の環境などにより、もう物心がついた時には罪悪感の比重の多寡が深層心理に組み込まれてるのだと思う。

という内容は私もそんな気がしています。罪悪感を感じることが少ない、いわゆる不真面目な人が増えてきた、だから迷惑YouTuberみたいな罪悪感度外視で行動するようなのが顕在化してきた、というのが私の所感としてはあります。

さて罪悪感と言うと、どうしても昨今はメンタル面での問題も取り上げざるをえないでしょう。例えば責任感ある人が鬱になってしまう、というようなものです。罪悪感を持てと言いつつも、一方で罪悪感を持ちすぎるなという主張も出てくるわけです。罪悪感を持ちすぎることも、全く持たないことも健全ではないとは個人的には考えていて、以下の記事にあるようないわゆる「健全なエゴイズム」が落としどころになってくるようには思います。

madamefigaro.jp

自分の限界を尊重してもらうことは、他者を忘れ去ったり、軽んじることではない。同じように、強い意志を持って自分の欲求に忠実であることは、あらゆる提案を断固として拒否するという意味ではない。健全なエゴイズムとは、それぞれが満足できるように、妥協の可能性を閉ざさず、柔軟な姿勢を見せることを心がけるということなのだ。

つまり、このエゴイズムは罪悪感とセットである必要があって、どちらが欠けていてもあるべき状態ではないんだろうなとは感じます。で、表題の緑黄色社会の話になるのですが、このバンド名はご存知の通り緑黄色野菜から名付けられたものとなります。緑黄色野菜のことを緑黄色社会と聞き間違えたことがきっかけのようですが、偶然なのか意図的なのか定かではないのですが「緑黄色野菜」のような考え方が楽曲の根本的な思想があるように私は感じます。

緑黄色野菜が健康に良いものというのは多くの人がご存知と思いますが、なぜ健康に良いのかというとビタミンやカロテンが多く含まれているからと言われています。ただ、以下の通り緑黄色野菜はたくさん取れば良いというものではなく、以下の記事にあるように、

www.suntory-kenko.com

緑黄色野菜に含まれるカロテンは、「抗酸化作用」という体内の活性酸素を減らす働きがあります。活性酸素は微量なら私たちの体に対して有益な作用がありますが、過剰にあると過酸化脂質を生成し、老化や免疫機能の低下に関わるといわれています。

ビタミンAなど過剰症が知られている栄養素も含んでいるため、健康障害を引き起こす可能性があります。腎臓の機能が弱っている方や高齢者の方は、ほうれん草やパセリなどの「シュウ酸」を多く含む緑黄色野菜を使用して作ったジュースは避けましょう。

活性酸素を減らす働きはあるものの活性酸素自体は別に絶対的に悪いものではなく、逆に緑黄色野菜を摂取しすぎると健康に害をおよぼす可能性もあります。緑黄色社会はこのようにある種、有益にも害にもなりうる2つの要素を表現しているのかなと感じます。全体的にはポジティブな曲調なものもあるのですが、ネガティブな要素も含んでいて、ここら辺のバランス加減が今の時代にマッチしているのではと私は考えています。

www.youtube.com

悲しくなれるそれはイイことなんだよ 悲しむ人の気持ちを守れる人になるから

震えてるんだそれでイイんだ立ち向かうんだ 陽はまた昇るから

令和6年能登半島地震について

明けましておめでとうございます、と祝えないような震災が元日に起きました。能登の地域で起きた震度7地震です。
これを書いている1/2に日付が変わった頃においても被害の情報があまり整理されておらず、現地の状況はかなり深刻であることが伺えます。以下の記事によると気象庁地震に名前をつけるのは、「2018年9月の「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」以来」とあり、大きな震災であることは議論の余地はないでしょう。

www3.nhk.or.jp


能登半島の地域ですが、今年だけでなく2022年・2023年にも震度6レベルの地震が起きています。以下の記事によると、どうやら2018年ごろから地震の頻度が多くなっていて、年々その震度も大きくなり今年震度7地震が起きたという形になっています。

ja.wikipedia.org


今回の地震もそうですが、ここ数年の能登地震震源が浅いことが特徴です。以下の記事で言うところの「直下型地震」に分類されるかなと私は考えています。地震の原因としては、陸域にある活断層のずれによるものです。

www.ocrenger.jp


阪神大震災のように直下型で大きな地震になることもあるのですが、直下型はどちらかというと局所的な地域で発生する傾向にあります。ただ、今回の地震はかなり広範囲であって、以下の記事にあるように活断層が同時に動いたという説もあります。

mainichi.jp


さて、ここで疑問に思うのは、いくらこの地域に活断層が多いからといって、毎年のように同じ地域で大きめの地震が起こり、今回のように同時に活断層が動くみたいなことが起こりうるのでしょうか。上で紹介した記事にもある通り、一つの活断層で大きな地震が起こる頻度は千年とか万年になるわけで、それがかなり頻繁に起こるというのは流石に何かあると考える方が自然でしょう。

以下は2023年の記事ではありますが、水などのいわゆる「流体」が影響しているという調査結果があり、今のところこれが有力な説かなと私は考えています。

scienceportal.jst.go.jp

研究グループは、地下の良導域は水などの流体に富む領域で、深部から供給された流体が一連の地震活動に関係している可能性が高いと結論付けた。断層の間に流体があると岩盤が滑りやすくなって地震発生のきっかけになり得るという。

そして、もう少しこの流体についての仮説を掘り下げた記事が以下になります。この記事も2023年のものであり、まだまだ研究が始まったばかりの領域ですが、その最中に今回の地震が起きてしまったのはやはり残念には感じます。

www.sci.tohoku.ac.jp

本研究で明らかにしたような流体とスロースリップおよび地震発生の事例は、実際の断層帯の特性を絞り込むために必要不可欠な情報であり、流体がスロースリップ群発地震、さらには大地震の発生に与える影響をこれらの現象間の相互作用も含めて定量的に明らかにすることができれば、群発地震や大地震の発生予測に向けた研究が進展することが見込まれます。


今は能登のみなさんの無事と一日も早い復興を願うばかりです。また、根拠の薄い情報や陰謀論ではなく、自分なりに科学的な観点で今回の地震を調べてみた結果を残しておきたい気持ちがあり今回の記事を書いてみました。

Show must go on

そろそろ2023年も終わりですね、今年も色んなことがあって中々大変な年になりました。個人的に印象に残ったのは、ジャニーズの騒動とN国党についてなのですが、この2つのトピックを中心に今年を少し振り返ってみたいと思います。

ジャニーズ騒動については、あらためてこの記事で内容を書くまでもないでしょう。おそらくジュリーや社長を引き受けたヒガシは、ここまで批判されたことについて想定外だったと思います。私的には長年言われてたジャニーさんの加害について認めたことは、かなり評価していますが。
認めたことについて一つ要因に感じるのは昨年話題になった、ガーシーに代表されるネットでの暴露が挙げられます。世間的にも、隠し事をしたところで明るみに出るリスクが高くなったことが認知されたのか、今年は企業の不祥事も多く明るみになりました。ただ、暴露や内部告発をしたことが必ずしも関わった人を幸せにしたかというと、今年の情勢を見る限りは少し微妙な感じがしました。いわゆる問題が表に出た後にどう対処するか、それは今年に顕在化した大きな課題かなと思います。

暴露や批判した側もカウンターパンチを食らうというのも、今年はあったかと思います。ガーシーは刑事告訴されたし、国会議員として担ぎ出したN国党も統一地方選で票が取れなかったり借金の問題が出たり、かなり散々な状態になっていました。暴露や批判した側もその事後対応まで考えてやらないと、誰も幸せにならない結果となってしまうようには感じました。
この日本社会は悪事だらけだ、みたいな印象を今年持たれた方もいるかと思います。ただ、悪いこともせず迷惑もかけないような聖人みたいな人が存在しうるのか、おそらくそんな人はあまりいないのではと感じます。突っつかれたくないことなんか、そりゃ1つや2つくらいあるでしょう。ただ、批判をしないと現状から良くならない。自分が何か突っつかれるリスクを受け入れた上で、それでもやるような覚悟が求められる時代になってきたとは感じます。


旧ジャニーズもN国党の立花さんもかなりダメージを受けた感はあるので、もう組織を解体して表舞台には出ないという選択肢もあるでしょう。ただ、彼らは批判にさらされ情勢が厳しくなっても、なんだかんだ今も表で立ち続けている。そこにはプライドや意地や信念みたいなものが、やはりあるように感じます。その根源的な価値観のようなものが、ジャニーさんが言う「Show must go on」の精神なのかなと私は思います。

発信が容易になった現在、大衆の一人である我々も否応なく表で批判したりされたりする立場になりうる環境です。その時に心が折れない何かを持っておくことが、重要な時代になってきた気はします。なので私的には、SNSで批判とかしたが情勢が悪くなったらアカウントを消す、みたいな行為はちょっとどうかなとは感じてしまいます。
別に失敗しても批判されてもいいんだよ。ただ、そこから目を逸らして逃げる行為は、どうしても逃げるが勝ちにならないように私は思いました。

と、こんなこと書きつつ私も色々なことから逃げてきたわけで、人のこと言えた人間ではないです、嫌なことがあってもそれを一旦忘れるのが年忘れ。それでは良いお年を!

ITエンジニア不足とDX

こちらの記事はジャンルなしオンラインもくもく会 Advent Calendar 2023の23日目の記事になります。

adventar.org


さて、巷ではまだまだITエンジニアが不足していると言われています。ITエンジニアの仕事については、スクールなど学ぶサービスも一昔前よりも増えてきましたし、認知度も高まってるようには感じます。なりたそうな人はそれなりにいそうなのに、いまだにITエンジニア不足と言われてるのはなんなのか。今回は、私が感じるところを少し書いてみます。
とりあえず、エンジニア不足に関する記事を一つ以下に挙げます。これによるとSIerなどIT関連会社でDX案件が増えており、これに対応する人がいないという状況な感じなようです。

xtech.nikkei.com


エンジニアが足りないという部分が議論されがちではありますが、そもそもDXってなんなんだよという話から始めないと、中々問題の解決には結びつかない気はします。以前にこのブログでもDXについてふれましたが、基本的には以下の記事にあるような、「顧客接点における提供価値の高度化」や「企業間連携におけるデジタル技術の活用」が、DXの目的かなと考えています。

www.mri.co.jp


DXと言われるようになってから期間は経ちますが、上記で挙げたようなことをDXに取り組んでいる企業で達成できているか、個人的には懐疑的です。もちろん、ちゃんと実現できている会社もあるとは思いますが、とりあえずのシステム開発をDXと呼んでる会社もあるように感じます。
では、なぜシステム開発やリプレイスをDXと呼ぶのか。個人的には日本政府のDX推進の政策に起因すると考えていて、要するにシステムに投資してDXやってる感を出そうとしてるのではということです。

www.brainpad.co.jp


実際に大企業等では以下の記事のように、ある程度DX予算を取って何か取り組みをしようとしてる雰囲気はあります。こういう進め方自体を否定するつもりはないのですが、ただ予算ありきで実際に価値が出せるかの深堀りをおろそかにするのは、個人的にはどうなんだろうとは思います。

logmi.jp


目的の深掘りをしないままDXと呼ばれるプロジェクトが立ち上げられはするものの、それによってSIer等のIT企業の案件が増えるのは悪いことではないと思います。ただ、一方でそういった案件をこなすことがITエンジニアの底上げにつながるかは、私は疑問視しています。結局は従来からある受託案件と変わらないものになってしまい、エンジニア自身の価値もそこまで上がってこない気はしています。そして、実際にエンジニアの給与はそこまで上がってはないようです。

logmi.jp


ITエンジニアがより価値を生み出せるような動きをしないと、今の状況は変わらないように私は感じます。事業会社でもSIerでもSESでも立場は何でもよいのですが、自分達が取り組んでることの価値を考えていかないと、いつまでも成長はないでしょう。もちろん、取り組み自体に当たり外れが発生してしまうのは致し方ない面はあります。ただ、目的に向かってきちんとコミットする姿勢を出さないと、価値がないものを作ってしまうことにつながるし、私自身もそういうのは良くないなとずっと感じていることではあります。

2023年12月時点での自動車部品の立ち位置について

少し前ですが、日本の大手メーカーが株式を保有する自動車部品企業の株を売却するのが、ニュースになっていました。例えば以下の記事にあるパナソニックや、

toyokeizai.net

以下にあるトヨタが、デンソー株を売却する記事が挙げられます。

jp.reuters.com


自動車業界は昨今はテスラの台頭もあって、関連事業をやってる企業は戦略をどうしようか悩んでいるとは思います。その中で自動車部品の事業を切り離していくのは、どういう意図があるのか少し考察してみます。

まず全体的な日本の自動車部品の市況感ですが、基本的にあまり良くはない感じが個人的にはあります。以下の記事のように、従前からあるコスト削減の取り組みに加え、EV等に対応するための研究開発が求められてきてるからです。日本の自動車メーカー自体が一昔のような競争優位が崩れかけているので、致し方ない面はあるのですが。

newswitch.jp

では、日本の自動車製造の強みは何なのかという話です。一つ挙げられるのは以下の記事にある「すり合わせ」でしょう。ガソリン車を製造する時は部品の調整が必要になって、その部分で部品メーカーも存在感が出せました。

diamond.jp

部品と部品を一つひとつ調整しながら、カスタマイズしてつなげていくことで製品がつくられる構成

とは言えEVとなると、ここら辺の事情が少し変わってきます。以下の記事で挙げられているテスラのような、部品点数をかなり減らしソフトウェアをアップデートするようなコンセプトになっています。

weekly-economist.mainichi.jp

テスラの次世代プラットフォームでは、「ギガキャスト(大規模なアルミダイカスト)」で一体成形したフロントとリアと、プレスを中心に成形する2系統がサブラインで平行(パラレル)に進行

もちろんテスラのやり方も、絶対に最適解かと言われるとまだ未知数と私は感じます。今後日本メーカーが、新たな手法を生み出す可能性はあるでしょう。ただ、EVにシフトしていくのであれば、キーコンポーネントとなるバッテリーをどうするかというのは一つ課題になるかと思います。以下の記事にあるようにテスラはバッテリーのデータをある程度持ってる点は、やはり強みではあります。

www.goo-net.com

BEVに関しては、垂直統合化を進めて、バッテリーの基礎データを集めるしかない。そのためにはコネクテッドによって、リアルタイムなバッテリー情報を収集し、バッテリーのモニタリングに、より深くコミットすることを意味する

諸々、現時点での自動車製造の情勢について書きましたが、自動車が全体的にEVにシフトしていくのであれば、部品メーカーの立場は辛くなってくるように見えます。今のテスラの垂直統合に対応できるような仕組みを、考えなければいけません。従来のように自動車の完成車メーカーの要求に対応するだけでは、部品メーカーは苦しくなるでしょう。自社独自のコンポーネントや仕組みを開発する動きを取らないと、完成品メーカーがいつまでも面倒を見てくれるという状況ではなくなっていると感じます。
ただ、幸いなことにまだ日本においては、部品メーカーは完成車メーカーに近い位置にいるので市況感や課題などの情報を得られやすいと私は思います。得られた情報を元に自社の強みを活かしてどう打ち手を考えるか。日本の製造業は個人的には技術力は高い水準にあると思うので、新しい取り組みなど積極的に取り組んでいけば、テスラに対抗できる可能性はあるように感じています。

WeWorkの破綻について思うところ

少し前にアメリカで、WeWorkが破綻したことが話題になりました。このブログでも以前にWeWorkについて取り上げまして、その際にはいわゆるポジティブさが先行して資金調達をしてしまう危うさについて、書きました。

toaruit.hatenablog.com


イケイケで資金調達したにもかかわらず、想定通りいかなかったのが破綻の大きな要因であると考えてますが、今回はもう少し細かく書いてみたいと思います。

WeWorkの元々の触れ込みとしては、以下の記事にあるような、いわゆるオシャレな雰囲気とテクノロジーを活用した、オフィスを提供するというものになります。特にWeWorkが出たての頃は、不動産テック的な取り組みはやはり目新しさがあったので、資金も調達しやすかったのかなとは感じます。

www.businessinsider.jp


ただ、結果としては以下の記事にあるような

www.rakumachi.jp

収益から見る実態は、単なるレンタルオフィススペース企業であり、稼働率を高めても黒字化しないほど高い賃料でビルを長期間の契約で借り、安く小分けにして短期でも解約出来る会員に賃貸しているビル賃貸業

という結果になり、テクノロジー等を使用することで差別化できなかったということになります。コロナがあったり目新しさも薄くなる中で、資金調達した後の打ち手が出せなかったような気はします。もちろん初めにきちんと理想を置くのは大事ですが、実際にユーザーに価値を感じてもらえなかったら元も子もないです。
では、WeWorkはどうすれば良かったのかというと、ヒントはWeWorkの日本法人にあると個人的には考えています。WeWorkの日本法人は、アメリカの状況と異なり現在も営業しています。コロナ当初は日本法人もアメリカもそこまで状況的に変わらなかったように感じますが、そこから日本法人は危機感を持って以下の記事にあるような対策を取りました。

signal.diamond.jp

これからは営業戦略を立てて、メンバーのニーズをきちんと理解することに努めよう、と社員に伝えました。

お客様のさまざまなニーズに応えるプラン設計をしており、プランの内容もお客様ごとにカスタマイズも可能

やったことは本当に当たり前のことで、顧客のニーズをヒアリングしてサービスに反映したというものになります。当たり前のことではあるのですが、けっこう見落とす観点かなとは感じます。
昨今はAIやメタバースやWeb3などなど、テクノロジーの要素として新しいものが出ています。こういったものは全てのユースケースにハマるようなものではないと私は考えてるので、技術要素を深掘るのは非常に大事な一方で、現実の課題にどう活用するかという観点も持つべきとは感じます。

朝倉未来さんについて思うところ

少し前に朝倉未来さんがキックボクシングルールで、YA-MANに1ラウンドKOされたというのが話題になりました。その前のケラモフの試合でも1ラウンドKOで、勝敗もそうですが内容もちょっと悪いようには感じます。朝倉さんというと実業家の側面もあり、競技と並行してビジネスとかやるのはダメじゃないかという批判をよく見かけます。ただ、個人的にはこの批判は的を得てないと思ってて、ひたすら競技に集中すれば強くなるかというのは正直疑問です。そして、私は朝倉さんはそこまで弱いファイターではないと考えてますが、なぜ直近こんなにあっさり敗北するのか、少し思うところを書いてみます。

まず朝倉さんのファイトスタイルですが、以下の記事にまとめられている通り、最近は打撃を強みとしています。打撃の中でも、相手の攻撃に合わせるカウンターを得意としています。また、腰が強いのでテイクダウンを取られにくいというのも特徴です。

note.com


強みがきちんと活かせるケースなら、かなり善戦すると思いますが、ケラモフ戦もYA-MAN戦も朝倉さんの強みはかなり研究されてしまったと感じます。そして、その良さを出させないような戦術で、圧倒したという結果になったと思います。ケラモフは朝倉さんが得意としないであろうグラウンドにいかに持ち込むかにフォーカスしてたし、YA-MANは朝倉さんのカウンターがくることを見越してそこに合わせにいくことを狙ってました。

なので個人的な考察としては、2戦ともに相手がきちんと研究してきたのに対し、朝倉さんは相手の出方を考えずに自身の強みだけで臨んでしまったことに敗因があると思います。以下のシバターの動画にありますが、朝倉さんの練習は打撃のスパーリングがメインであり、寝技であったりレスリングの部分の練習があまりされてないとのことです。

www.youtube.com


というわけで、朝倉さんがいくら競技に集中して今の練習を続けたところで、勝てる確率があまり高くなるとは個人的には思えません。逆に自分の引き出しを増やすために、自分の不得意なことや少し観点を変えるようなことが必要と感じています。以下の記事で前田日明さんが言及しているように、朝倉さんの才能はおそらく人より優れたものがあるのでしょう。ただ、才能と得意なことだけでここまで来てしまった感はあるので、今さら自分の苦手分野や興味がないことに手を出すのは中々気が向かないかもしれません。

www.sponichi.co.jp


自分の強みや得意なことに集中すること自体は、悪いこととは私は考えていません。そっちの方がモチベーションや成果は出やすいだろうし、下手に苦手なところで苦しむよりは良い選択になる可能性は高いでしょう。ただ、自分の得意なことでずっと成果を出し続けるというのは、やはり難しい部分はあると感じます。
それは時間が経てば少しずつ、周囲の環境も変わるし、自分の体とか考え方とかも変わるからです。そこで壁にぶつかった時に自分は変わるべきなのか、どうしたいのか、どうありたいかというのを振り返って考えることが大事なのかなとは感じます。