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令和6年能登半島地震について

明けましておめでとうございます、と祝えないような震災が元日に起きました。能登の地域で起きた震度7地震です。
これを書いている1/2に日付が変わった頃においても被害の情報があまり整理されておらず、現地の状況はかなり深刻であることが伺えます。以下の記事によると気象庁地震に名前をつけるのは、「2018年9月の「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」以来」とあり、大きな震災であることは議論の余地はないでしょう。

www3.nhk.or.jp


能登半島の地域ですが、今年だけでなく2022年・2023年にも震度6レベルの地震が起きています。以下の記事によると、どうやら2018年ごろから地震の頻度が多くなっていて、年々その震度も大きくなり今年震度7地震が起きたという形になっています。

ja.wikipedia.org


今回の地震もそうですが、ここ数年の能登地震震源が浅いことが特徴です。以下の記事で言うところの「直下型地震」に分類されるかなと私は考えています。地震の原因としては、陸域にある活断層のずれによるものです。

www.ocrenger.jp


阪神大震災のように直下型で大きな地震になることもあるのですが、直下型はどちらかというと局所的な地域で発生する傾向にあります。ただ、今回の地震はかなり広範囲であって、以下の記事にあるように活断層が同時に動いたという説もあります。

mainichi.jp


さて、ここで疑問に思うのは、いくらこの地域に活断層が多いからといって、毎年のように同じ地域で大きめの地震が起こり、今回のように同時に活断層が動くみたいなことが起こりうるのでしょうか。上で紹介した記事にもある通り、一つの活断層で大きな地震が起こる頻度は千年とか万年になるわけで、それがかなり頻繁に起こるというのは流石に何かあると考える方が自然でしょう。

以下は2023年の記事ではありますが、水などのいわゆる「流体」が影響しているという調査結果があり、今のところこれが有力な説かなと私は考えています。

scienceportal.jst.go.jp

研究グループは、地下の良導域は水などの流体に富む領域で、深部から供給された流体が一連の地震活動に関係している可能性が高いと結論付けた。断層の間に流体があると岩盤が滑りやすくなって地震発生のきっかけになり得るという。

そして、もう少しこの流体についての仮説を掘り下げた記事が以下になります。この記事も2023年のものであり、まだまだ研究が始まったばかりの領域ですが、その最中に今回の地震が起きてしまったのはやはり残念には感じます。

www.sci.tohoku.ac.jp

本研究で明らかにしたような流体とスロースリップおよび地震発生の事例は、実際の断層帯の特性を絞り込むために必要不可欠な情報であり、流体がスロースリップ群発地震、さらには大地震の発生に与える影響をこれらの現象間の相互作用も含めて定量的に明らかにすることができれば、群発地震や大地震の発生予測に向けた研究が進展することが見込まれます。


今は能登のみなさんの無事と一日も早い復興を願うばかりです。また、根拠の薄い情報や陰謀論ではなく、自分なりに科学的な観点で今回の地震を調べてみた結果を残しておきたい気持ちがあり今回の記事を書いてみました。