とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

東京一極集中に関して感じること

少し前に、安芸高田の石丸市長が東京都知事に立候補すると発表しました。その際に都知事になって東京一極集中を解消すると言ってましたが、都内に住んでる私からするとやはり違和感を感じました。というのも都民にとって東京一極集中はデメリットもあるものの、メリットもかなりあるからです。特に仕事や娯楽が多いのは、非常に大きなメリットと考えています。
というわけで、今の東京を何か変えることで東京一極集中を解消することは、都民の私としては基本的には反対です。では一方で地方の衰退をどうするかという点に関して、もう少し考察したいと思います。

結論から言うと、地方を活性化するにはまずその地方の産業を活性化させるという施策が、第一優先と私は考えます。その地方にある一定程度の仕事がないと、どんなに住環境等が整っていても移住する判断をするのは難しい気はします。東京においては企業が大量に集まっているので、その分仕事を探す幅が多いのはかなりメリットと考えています。

このように言うと今はリモートがあるという意見があると思いますが、現時点において完全フルリモート縛りで仕事を探すのは、やはり幅が狭まる気はします。非常に優れたスキルがあったり、オンラインで完全完結できる仕事であったり、ロケーションに関わらず仕事できるような状況は、限定的なケースと私は考えています。もちろんそういった人達を地方に呼び込むのもよいのですが、結局はその地域に住む必然性は薄いようには感じます。以下の記事にあるように、優先順位的にはやはりまずは産業が高い気はします。

president.jp

都会のリモート拠点というのは本来入り口で、その地域に企業なり産業が根付いていくことが重要

産業を活性化させるにあたって、少し前にニュースになったような半導体工場を誘致するなど、大規模な事業を呼び込むのは短期的には大事でしょう。大きな事業がその地域で行われれば、ほぼ必然的に人が集まる事が見込まれるので。パソナが淡路島に本社機能を移動した際も、大きな人の移動が発生したのでそれだけでその地域の転入増が実現できます。ただ一方で、長期的にはその地域の地場産業との関係性などは大事になってくるとは感じます。大きな事業が撤退などしたら、その地域が衰退するリスクはあるので、地場産業をいかに活発化させるかというのも重要かなとは思います。

www.nikkei.com

では長期的な視点として何が必要かというと、前にもこのブログで紹介した内容ではありますが、以下の記事にあるような研究開発や教育の分野への投資になるかなと個人的には考えています。その地域に技術要素や人材がないと、誘致した事業が撤退してしまった時に残流ものが少なくなるリスクがあるかなと感じます。

www.pref.tottori.lg.jp

今は大企業であっても一寸先は闇みたいな環境と私は思っていて、企業頼みになりすぎずに、いかに地域で産業を活性化させるかは大事な部分と感じます。なので、東京にあるものを単純に移せばいいという話ではなく、いかにその地域でなければいけない要素を作り上げるかが地域振興には重要と考えます。