とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

2022年時点のリコーの事業方針について考えてみる

少し前ですが、リコーがHHKBを製造しているPFUを買収したのは、少し驚きましたね。エンジニアにとってはHHKBはなじみ深いものですが、リコーが買収した目的はHHKBではなく、スキャンの事業と言われています。

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というわけで、今回はPFUのスキャン事業をリコーが欲しがった、事業的背景的なのを少し書いてみたいと思います。
リコーと言うと、個人的には営業が強い会社という印象があります。昔は地方ごとに販社があって、2010年に統合したのですが当時でも310の拠点数があったりします。実は私も昔に就活をやってた時に、受けたことがあります。(明らかに営業が向いてないのでもちろん落ちましたが・・)

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リコーの対象顧客としては、中小企業がかなり多い気はしています。営業が元々強いことがあって、事務機器についてはかなりの顧客に導入した実績があると思います。今後も中小企業をターゲットとしていく中で、事務機器だけでは厳しそうというのはあると思います。以下の記事にあるような、IT関連のサービスにシフトしていく動きはあるでしょう。

newswitch.jp


とはいえ、既存で導入した事務機器をやめてIT化しませんかという提案は、売上が増えていかないリスクは想定されます。そこで考えられるのは、事務機器とスキャンで組み合わせてIT化を進める、という方針になると思います。なので、PFUを買収したのはかなり合理性はあるかなと感じました。
加えて発表されたのが、kintoneとの協業です。kintoneはIT化にそれなりに取り組んでいる企業には、そこそこ認知されてる状況でしょう。

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ただkintoneは、リコーが事務機器を販売してる層(IT化が進んでない)には、アプローチはまだ出来ていない状況とみられます。kintoneは非エンジニアでも使えるという思想ですが、ある程度そういった層にはやはりサポートが必要かなと感じます。リコーのように人的リソースがある会社が販売するのは、方針としては良いかなという気はします。
最終的には事務機器→スキャン→kintoneへのデータ化というのが、目指す形になるかなと思います。