とあるIT屋の独白

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お金を稼ぐことと歴史

当然のことですが、生きていくのにお金は必要ですよね。もちろん、お金よりも大事なものはあると思いますが、お金が大事なのは別に変わらんと思うし、できれば稼げるようになりたいですよね。悪どいことしてまで稼ぎたいと私は思いませんが、世の中そういう人が出てきてしまうということに対して、気持ちは分からんでもないです。

最近思うのは、昔と今でお金を稼ぐということに対する意識みたいなのが、変わってきてること。時代も変わっているし、ビジネスの環境みたいなのも変わっているので、当然と言えば当然なんですが。というわけで、今回はお金を稼ぐということを、過去・現在・未来に分け、歴史的なことを交えて個人的な考察を少し書いてみたいと思います。

 

【終身雇用時代】
過去の考察は、ほんと何年か前まで当たり前とされていた終身雇用からとしてみます。終身雇用は基本的に会社に入ったら余程のことがない限りはクビにならず、経験年数に応じて給与も決まっていきます。もちろん、役職の有無によって得られる給与に差が出てくることはありますが、ずっと居続けることでそれなりの給与がもらえてしまってる、ということはあったと思います。

この状態は鎌倉時代の御恩と奉公に似てると個人的には感じていて、会社が給与を保証する代わりにちゃんと奉公する、という状態になったのかなと考えます。

rekishi-memo.net

終身雇用の時代は、副業などしてる人は少数だったと思います。会社からクビになる心配はほぼないし、居続ければそれなりの給与がもらえるので、やる必然性があまり無かったかもしれません。もちろん、ネットがまだなかったり法整備がされてないといった面はありますが。

【現在(混乱期)】
さて現在は終身雇用は事実上終わっていて、下記の記事にあるように、2019年に当時の経団連の中西会長がもう限界であると言っています。当時はかなり批判もありましたが、無理なものは無理なので、これはこれでちゃんと言ってくれた面では良かった気はします。

www.riasec.co.jp


ただ、終身雇用の次の賃金モデルが定まっていない中、どのような評価制度がスタンダードになるか定まっていない感はあります。さながら歴史で言うところの戦国時代のような、ある種カオスな状態と言えるかもしれません。
現状は終身雇用を引きずってる会社、成果主義を試行する会社、はたまたフリーランスや派遣をフル活用する会社、などなど会社によって人材を評価する視点が様々だと感じます。なので、今いる会社や転職先や案件を探すときなど、その会社がどういう観点で人の評価を行ってるか、きちんと見定める必要はあるかなと感じます。

また、転売や情報商材など、筋のよくないやり方で金を稼ごうとするのが珍しくなってきてるのも見逃せません。とはいえ、普通に働いても稼げないでしょ、みたいな気持ちはすごくよく分かります。どうせ給料上げないから転職するみたいな風になってるのも、ある種致し方ないかなと思います。ただ、これが健全かというと個人的にはどうかなとは思ってるので、将来的には是正される方向に向かっていく気はしています。

【将来予測】
個人的な将来予測としては、もちろん会社によって様々な評価が存在する状態は変わらないと思いますが、その人の立場がなんであっても(正社員やフリーランスなど)、成果で評価される傾向になるのではと私は考えています。もちろん立場によって、ある程度の差というか違いみたいなのはあるでしょうが。以下の記事にあるような、江戸時代の「足高制」に近い形です。

fms-uno.cocolog-nifty.com


もちろん、旧来型の終身雇用でも能力を全く鑑みてないわけではないとは思いますが、如何せんクビにならないというのと給料がそれなりにもらえてしまう、というのが今になって負の面として出てきたのかなと感じます。それが既得権益になり、若い人の給料を上げなかったり、でも会社が危なくなったらリストラする、というような感じになって労働者側から段々と不信感が生まれてしまったように思います。

やはり、能力や成果によって評価して上げるというのは本当に基本なんですが、より広がらなければいかんと思ってます。そうじゃないと真面目にやってる人が馬鹿馬鹿しくなるし、筋の悪い稼ぎ方する人が出てくるし、結果的に日本全体の生産性が落ちてる遠因になっていると私は考えています。