とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

成果主義について考えてみる

以前にも本ブログで人事評価について取り上げましたが、

https://toaruit.hatenablog.com/entry/2017/06/11/163505
今回は成果主義にフォーカスを絞って書いてみたいと思います。
日本でも成果主義がさけばれて久しいですが、正しく運用できて人材の確保や適正評価を実現している会社はどれくらいあるかは、個人的には疑問です。成果主義を導入して失敗した例としては、下記の記事ある富士通です。給与の不公平感の高まりや、失敗するのを恐るといった流れになり、結果として赤字になり成果主義の運用を止めています。

【給料に満足していない人が見落とす根本論点】
https://toyokeizai.net/articles/-/233027

だからといって、成果で評価せず日本の昔ながらの年功序列制度がよいかといわれると、それも事実上崩壊しているといえる気はします。年功序列は終身雇用と基本的にセットであり、終身雇用自体が崩壊している中で年数だけで評価するというのもナンセンスですし、成果も残さずに給料だけもらうというのも若手から不満も上がってしまうでしょう。
下記の記事のパナソニックの事例にある通り、年功序列であぐらをかいているシニア層は、今後リストラの対象にもなってくると思います。市場環境がほぼ変化しない世の中であれば年功序列でもいいかなと思いますが、これだけ世の中が激しく変化しているのに従前のやり方に固執するような社員は、会社の業績にも悪影響をもたらす可能性もありますよね。

パナソニック「働かなくても年収1500万円超」幹部に迫る大リストラ【内部資料入手】】
https://diamond.jp/articles/-/224720

というわけで成果主義自体を取り入れるのは良いことと思うのですが、それが適切に運用されない、もしくは間違った解釈を元に、成果主義が否定されるのはちょっとどうかなと個人的に感じるわけです。そもそも成果主義とはどのようなものか。
成果主義=結果主義ととらえられがちですが、個人的には結果主義はあまりよろしくないと考えています。結果主義は各々割り振られた業務でそのときの状況や立場によって、結果が出る人・出ない人が分かれてしまうので不公平感が生まれてしまう可能性があります。また、あまりに短期的な結果にフォーカスしてしまうと結果に直接結びつかない業務が軽視されていき、社内の雰囲気も悪くなる恐れもあります。

成果主義に求められることとは】
https://www.robertwalters.co.jp/hiring/hiring-advice/result-driven.htm

では、成果主義とはどのようなものか。もちろん結果も評価に加味されはするものの、それに加えて結果を出すためにとったプロセスも、評価の対象にすべきと、下記の記事では書かれています。つまり、正しい頑張り方をしている人であれば、それ相応の評価はされるべき、という考え方になると思います。

【結果だけでなくプロセスも評価 成果主義を成功させるための2つのポイント】
https://biz-journal.jp/2017/05/post_19014.html/amp

成果主義というと、どうしてもコストカットを目的として導入される手法と思われがちですが、正しく成果に結びつく行動をしている人はちゃんと給料が上げられるべきと感じます。逆に、会社にとって好ましくない行動が多い人は評価を下げざるをえなくて、もしそれが改善しないようであれば、やはり会社とのミスマッチが生じていると判断することとなると思います。
旧「村上ファンド」の村上世彰氏も、この成果主義について下記の記事で触れていて、年功序列ではなく、成果をベースにした適切な評価方法の確立が必要であると語られています。その際には安定した雇用が前提になると言っていて、旧来の終身雇用・年功序列ではなく、安定した雇用がある状況での成果主義というのが、新しい日本の人事の形として広がっていけば良いなと個人的に思います。

村上世彰森永卓郎の息子が聞く「日本の経営者に必要なこと」――株主がガバナンスを利かせ】
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2002/07/news018.html