とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

やってる感と成果の評価

少し前ですが、日本政府が行った酒の取引停止要請が大きな話題として取り上げられましたね。もちろん、酒類を扱ってる業者からしてみたら大迷惑だし、国民感情が分かってないという批判はまぁその通りだなと思うわけですが。

toyokeizai.net


じゃあ、なぜ政府や官僚が、この一見悪手にしか見えないことをやろうとしたのでしょうか。コロナがまだまだ収束しない中、何かしら対応をしなければ、という気持ちは分かります。ただ、この何とかしなきゃといった結果、「やってる感」を出すといった方向になってしまったのではないかと感じるわけです。このやってる感を出すのが上手なのが小池さんかなと私は考えていて、まぁ上手く立ち回ってる印象はあります。

wpb.shueisha.co.jp


特にこれは政治の批判だけというわけではなく、身の回りの人にもいるような気はします。ちょっと極端ですが、下記のような記事の人で、なんか「成長しなきゃいけない」とか「金を稼がなきゃいけない」のような、目的意識なくこのように考えてしまう人は、そこそこいるようには思います。このなんとなく意識を高く持つという行為はあまり好きではなくて、今ある問題に対して向き合っていないようにしか見えない、というのが率直な感想です。

withnews.jp


結局こういうのも「やってる感」でしかないと個人的には思ってて、大事なのは「やってる感」でなく「どのような成果を出したか」だと思うわけです。日本のいわゆる旧来の中間管理職は、まさにやってる感を出すのが上手い人が多いと感じるわけですが、その結果自分に何が残るかというかという問いにおそらく答えられないのではないでしょうか。そして、会社であったり社会は、この「やってる感」に対していずれ評価しなくなるでしょう。

gendai.ismedia.jp


世の中が変化せず、事業も今まで通り続けていけば問題ない、ということであればこういった振る舞いでも良いのですが、世の中は目まぐるしく変化するし、そこに対してどう打ち手を考えるのが今は求められています。そんな中で必要なのは、今起こってる問題に対して、どういうアプローチで成果を出すか、ということだと私は考えています。
成果の出し方は人それぞれだと思います。例えば、人を集めたりするのが上手い人だったらマネージャーという立場になるし、ものを作るのが上手い人ならエンジニアという立場になるでしょう。ただ、漫然と指示を出したり勤怠を管理するような管理職は不要で、そんなのは今の時代ツールでカバーできるわけです。人の強みというのは、問題の把握とそれに対する道筋をつけることにあると思ってて、どういう職種であれ、それは求められてくること考えています。逆にそういったことを思考せず、ただやってる感を出す人は、今後淘汰されていくのではと感じます。