とあるIT屋の独白

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一律のコストカットはやめるべきだと思う

コストカットという言葉、社会人になってから何度聞いたことか。90年代後半頃から約20数年、日本はコストカットの嵐でした。もちろん、デフレ下の中で企業は値段を下げないとモノが売れないしコストカットはしょうがないよね、という雰囲気が続いてきました。ただ、もういい加減これ止めるべきじゃないんでしょうか。コストカットの嵐が起きた結果、今日本企業がどのような状況になっているか、ここで語らずとも色々思うところは出てくるでしょう。
コストカットというと代表例では日産のカルロス・ゴーンさんを、多くの人が思い浮かべると思います。当時は日産のコスト浪費が酷かったので、ゴーンさんの行なった対応としては間違ってないと思います。ただコストカットしてそれで終わった結果、今どうなったか。もちろんコロナの影響もありますが、直近では大赤字という結果になっています。

【日産が巨額赤字、「大リストラ計画」にみる猛省】
https://toyokeizai.net/articles/-/353597

今回の赤字はゴーンさんが立て直した時よりも厳しいと思ってて、コストカットし続けた結果がこれなので、短期的な改善施策がないわけです。コストカットすること自体は間違ってないのですが、そのカットした部分を少しでも投資に回さないと、将来的に大きなしっぺ返しを受けることがあるということです。
逆にうまく立て直したのが日立製作所で、かなり前に巨額赤字の状態でしたが今は上手く事業のポートフォリオを組んでる印象を受けます。直近はコロナの影響もあり業績は低下していますが黒字は確保しています、重点領域であるITについては業績が好調だそうです。

【日立は新型コロナで売上高1兆円減も利益確保、東原社長「10年間の改革の成果】
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2006/01/news049.html

コストカットも考えなしにやると、いざ立て直そうと思った時にその反動が来てしまうのが、日産の例で分かるでしょう。自社にとってコアとすべき業務とコアにならなそうな業務を見極めることが大事で、非コアに関してはコストカットをしていく。コアとすべきところにきちんと投資していく。ということが、しごく当たり前ではありますが、大事なわけです。

【コストとは投資である 一律削減は成長を生まない】
https://www.dhbr.net/articles/-/4798

 

さて、コストカットというと真っ先に対象となるのが人件費。ちょっと長くなりそうなので人件費については、次回の記事で語りたいと思います。