とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

Java8の無償サポート終了とJVM言語への影響

今年ももう半月が過ぎてしまいました、時間が過ぎるのは早いですね。さて、2019年1月といえば何を思い浮かべるでしょうか。私が気になってるのはJava8の無償サポート終了問題、2019年1月でサポートが終了になるのですが、みんな結局どうするんだろうということ。私の現場でもScalaを使っていて少なからず影響があるので、調べてみました。

まずJava8の無償サポート終了に関して発生する懸念が、下記の記事にまとめられています。

Java 11正式版がリリース、本バージョンからOracle JDKのサポートは有償に。OpenJDKで無償の長期サポート提供は現時点で期待薄】
https://www.publickey1.jp/blog/18/java_11oracle_jdkopenjdk.html

 

システム構築をする上で、何を選択するかの観点としてサポート体制は気にする人がいるわけで、今までJavaでは3年単位で無償サポートされていたLTSのバージョンが、Java11では有償となる可能性が高くなります。
無償で使えるOpenJDKは半年単位でのバージョンアップが濃厚で、これに追随していくのはけっこう厳しい感がありますね。。もちろんサポートとかを気にしなければOpenJDKをある程度長い期間使えばよいわけで、そこまで大きくないシステムであればこの選択も個人的にはありだと思います。

Java 11リリースに関するメモ】
https://blog.y-yuki.net/entry/2018/09/29/163000

 

さて、私の現場で使っているScalaですがJVM言語(JVMが実行環境のプログラミング言語)ですので、このJavaのバージョンアップ問題も影響を受けてくるわけです。今までのScalaのバージョンのサイクルを見ると大体Javaがバージョンアップされてから1、2年程度で追従していくらしく、OpenJDKが半年単位となる場合は追従できない感があって、どうするんだろうなという感じです。

Javaのリリースサイクルが変わることによるScalaへの影響】
https://togetter.com/li/1239273

 

ちなみに、ScalaはJava11の環境でまだ動かないライブラリがあるらしく、いまだにJava11に対応しているバージョンは出ていない状況。下記の記事は去年の11月時点でのものですが、現時点でもまだ変わってないのでもう少し時間がかかりそうな感じがします。

Scala製プロダクトのJavaバージョン戦略】
https://speakerdeck.com/yoshiyoshifujii/scalazhi-purodakutofalsejavabaziyonzhan-lue

Direct to Consumer(D2C) とは

マーケティングに携わっている方は、「Direct to Consumer (D2C) 」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。D2Cとは主にアパレル業界でECサイトを使用した直販でのビジネスのことを指しています。日本でもユニクロ等は自社ECサイトを持っているので、このD2Cの取り組みを行っていると言えるでしょう。下記の記事に海外の企業ではありますが、事例が紹介されています。

【アパレル業界を席巻する新勢力 – Direct to Consumer (D2C) で成功した7つのブランド】
https://blog.btrax.com/jp/d2c/

とはいえ、D2Cと普通のECサイトと何が違うんだ、となりますが、下記の記事によるとSNS等を用いたマーケティングに特徴があるそうです。記事中にもありますが、いかに自社の顧客をWebで囲い込むか、どのように顧客とコミュニケーションをとるか、といった点が大事なポイントだそうですね。

【DtoCを検討する前に知っておくべきDtoCの【成功事例と失敗事例】】
https://www.ebisumart.com/blog/d2c/

ステークホルダーとESG投資について

昨年末の日産のゴーン会長の逮捕劇に見られるように、今年も企業の不祥事がいくつかニュースになるかもしれません。これは企業のガバナンスにまだまだ問題があるからと思われるのですが、ガバナンスの仕組みを整えているはずの大企業でさえ不祥事でニュースになるので、いくら仕組み等でガバナンスを強化してもやはり何か足りないのかなと感じざるをえません。

会社は誰のためにあるものでしょうか。おそらく人それぞれ回答は違うと思いますが、ただ誰となる対象はステークホルダーとして考えられるもののいずれかになるでしょう。理想的には株主も大事だし従業員も大事だし顧客も大事だし…、なのですが全てのステークホルダーが対象という曖昧なものになると、結局絵に描いた餅になってしまうと下記の記事で触れられています。

【「全てのステークホルダーのため」の企業経営は絶対うまくいかない】
https://diamond.jp/articles/-/181183

会社に関わるステークホルダーにどう接するか明確になると、自ずとるべき行動とやってはいけない行動が見えてくるのかなと思います。投資家もそういった視点を加味して、投資先を選ぶようになってきているものと感じています、最近目にするESG投資というものです。ESG投資とは環境・社会・ガバナンスの視点で企業を評価し、投資するものとなります。短期視点ではなく中長期的な視点がそこには入ってきます。

【ESG投資の基本の「き」 なぜ今世界が注目しているのか】
https://forbesjapan.com/articles/detail/24403/1/1/1#

ESG投資で行う評価は、上述のステークホルダーとの接し方と関連します。下記の記事に書いてある通り、企業の活動をステークホルダーにどう配分してくか、いわゆるステークホルダー・バランスがESG投資で企業を評価する際に用いられる視点になります。

サステイナブルな企業評価の最近の動向-ステークホルダー・バランスに着目して-】
https://www.eyjapan.jp/library/issue/info-sensor/2018-06-02.html

GitHub Actionsについて調べてみた

少し前の話になりますが、GitHubが「GitHub Actions」というサービスを発表したのが話題になりました。これは、DevOpsを実現するためのワークフローを提供するプラットフォームで、デプロイ等のアクションを自動化できます。

GitHubが「GitHub Actions」を発表、開発者が好きな機能を使ってワークフローを自動化】
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1810/17/news067.html

私は今の現場ではCircleCIを使ってますが、下記の記事によるとCIツール等と機能的に被る部分が出てきそうとのこと。現状の環境でそこそこ自動化出来ていれば、すぐにGitHub Actionsに置き換える必要がない感はありますが、今から新しく環境を構築する場合は検討してもよいかも。

GitHub Actionsどう使う?【後編】―日本のエンジニアたちの所感、GitHub Universeアフターイベントより】
https://codezine.jp/article/detail/11236

仕事で成果を出すための考え方や仕組み

仕事において大事なことは成果を出すこと、おそらくこれに関して、ほとんどの人は異論はないと思いますが、人によって求められる成果の形は異なるし、そもそも何を持って成果というのはかなり曖昧になっているケースもあるかと思います。そんな中で成果を出せと人から言われてもどうしたらよいか・・・と私も悩んだ時期がありました。
社会人生活が長くなるとだんだん勘所がわかってきたのですが、今になって少しこの成果について考えて見たくなりました。まず、自分にとっての成果をどのように定義するか、そこは整理する能力が必要になってくると考えています。考え方として下記の記事にあるフレームワークが役に立つと思います、大事な観点としては「他者と比べて」というものになるかと思います。

【仕事に役立つ、5分で理解する「論理的思考力」】
https://news.mynavi.jp/article/20180822-681199/

さて、自分の出すべき成果を決めたら行動にうつす必要があります。どのような行動をとれば分かっていればよいのですが、たいていは具体的に何をすべきか、と考えるところから始まります。その時に使える考え方は下記の記事にある「仕事の標準化」であるかなと感じます、つまり行うべき行動を見える化するということです。

【最高のチームに変わる「仕組み」のつくり方】
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1803/08/news024.html

前に下記の記事で紹介した「壁マネジメント」と似た考えですね。マインドや意識といったことも、もちろん重要ですが、いかに行動に落とせるかといった点が成果に結びつける上で大事かなと感じます。

http://toaruit.hatenablog.com/entry/2017/11/08/002538

Web広告の計測における乖離

以前に本ブログでWeb広告に関する指標をまとめましたが、
http://toaruit.hatenablog.com/entry/2018/10/08/000106
今回はその計測について、書いてみたいと思います。

Web広告において最も重要な指標の一つがコンバージョンなわけですが、実際に運用しているサイトと媒体で計測されているコンバージョンが乖離することが発生します。下記記事にその要因がまとめられているのですが、広告を見ただけで後でコンバージョンに至る(ビュースルーコンバージョン)や、クリック日と実コンバージョン日が異なるなどの要因が挙げられています。

【実売数とコンバージョン数が違う!5つの乖離の理由について】
https://anagrams.jp/blog/5-reasons-of-mismatch-between-sales-quantity-and-conversions

また、広告の運用ではGoogleアナリティクス(GA)を使用することが多いと思いますが、GAと代理店での計測観点の違いが、下記の記事で紹介されています。また、以前に本ブログで紹介したアトリビューションを意識した評価も考慮に入れないと、誤った判断を行う可能性も指摘されています。

【アトリビューションとLTV――Web広告とKPI その2】
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1712/01/news139.html

日本でのAIの活用事例のまとめ(2019年初頭)

あけましておめでとうございます。2019年になりましたね。今年もどんな年になるか楽しみです。

ITに関して、2019年も引き続きAI関連の話題が取り上げられることが多くなると思います。直近だと紅白でPerfumeディープラーニングを用いた演出を行ったのが話題になりましたね。
以前に取り上げた書籍の通り、AIが人間の仕事に取って代わるとさけばれていますが、
http://toaruit.hatenablog.com/entry/2018/04/27/004002
実際に日本で現時点で、どのようにAI技術が活用されているか少し調べてみました。
各論の前にまず、日本がAI研究において世界でどの程度の位置付けとなっているか、下記の記事で日本の第一人者ともいえる松尾豊さんが語っています。要約すると日本の大企業において研究者の囲い込みや取り組みが不十分であり、ベンチャー企業にもチャンスはあるということ。また、諸外国と比べると遅れをとってしまっているという状況となっています。

【なぜ日本は人工知能研究で世界に勝てないか 東大・松尾豊さんが語る“根本的な原因”】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1809/18/news011.html

 

さて、そんな中でも日本の企業が生み出しているサービスが出てきていて、少し紹介したいと思います。

まず、リーガル関連。AIが契約書をレビューする「LegalForce」サービスがβ版であるにかかわらず3ヶ月で70社の導入を達成しています。契約書関連の書類は人が目でチェックするにも漏れ等が起こりやすいので、AIで効率化しやすい領域だと思います。

【AIが1秒で契約書をレビューする「LegalForce」が5億円を調達、β版は約3ヶ月で70社が導入】
https://jp.techcrunch.com/2018/11/30/legalforce-fundraising-500m-yen/

システム開発の関連だと、人の視線情報でレビューの精度を測定するという取り組みがされています。私も経験があるのですがレビューの品質を何をもって担保するか(結局、指摘数とかになってしまう)というのが難しく、視線情報という観点はよいなと感じます。下記の記事では要件定義書のレビューが対象となっていて、しっかり読み込まれるか視線情報で判断するというものになります。

【要件定義書がしっかり読まれているかを測定――視線情報を機械学習にかけ、要件定義書レビューの評価を行う】
https://codezine.jp/article/detail/11218

最後に紹介するのはTwitterなどのSNSの情報を自動で収集して事故情報などを、知らせてくれるというサービス「FASTALERT」。かなり昔に市民参加型のニュースサイトの企画が話題になりましたが、それをAIで実現しているイメージかなと感じます。

【人間によるジャーナリズムを守る。 それには、AIを使うしか道はない。】
https://wired.jp/waia/2018/17_katsuhiro-yoneshige/

どのサービスも、今ある課題を効率化するという点で、AI技術をうまく活用しているなと感じます。今まで諦めてしまったことも、もしかしたらテクノロジーで解決できるかもしれない、そんなことを一つでも実現できる一年にしていきたいなと思います。