とあるIT屋の独白

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無責任なコンサルは社会の害悪になりうる

少し前から世間をにぎわせているビッグモーターの問題、色々と暴露等されていますが、経営の実態はかなりのヒドさですね。社長もそうですが、社長の息子である兼重宏一氏が副社長をやっていた時が、ブラックさが輪をかけてヒドくなったそうです。

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まぁ、お坊ちゃんで甘やかされたんだし、自己中心的だねというのが世間の印象かなとは思います。ただ、彼は高学歴でMBAを持っていて、公認会計士を持っているという話です。MBA公認会計士を持っていれば、コンプライアンスの知識は当然のごとくあるはずでしょうし、このようなパワハラや不正をするのは、少し違和感を感じてしまいます。

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今回はこの件についてかなり個人的な推測も含みますが、現時点で思っていることを書いてみたいと思います。

知識も地頭もある人が壊れてしまった要因として、私の所感は彼のパーソナリティというよりは、おそらく何か別の要因でこのような暴挙をするようになったのではと考えています。ここで私が着目しているのは、武蔵野という会社のコンサルです。武蔵野はビッグモーターの経営のコンサルを行っていて、昨年事故を起こした知床遊覧船の経営コンサルも行っています。コンサルを行っている会社で、2件大きな事故や不正が起きたら、やはりその関連性は疑わざるをえません。

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ビッグモーターと知床遊覧船の共通点としては、その会見のヒドさです。おそらく、この会見にも武蔵野が関わっていると私は推測しています。今回のビッグモーターの会見で一番気になったのは、武蔵野のコンサルにある「環境整備」の取り組みについて、社長が言及しようとしたところ別の社員の人がそれを遮った場面です。

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武蔵野にとっては、自分達に火の粉がかかるのを避けたいので、なるべく自分達の存在を知られずに会見を終わらすことが重要でしょう。なので、知床遊覧船の時と同様に、あえて真相をはぐらかすような内容にして、世間の批判の目をビッグモーターに向けさせるようにしたのではと思っています。

武蔵野が会見に関わっていると仮定すると、なぜ副社長の兼重宏一氏が会見に出なかったのかというのも、なんとなく推測できます。完全に個人的な推測ですが、おそらく宏一氏は武蔵野のやり方を相当に嫌っていたのではないかと思います。これを前提とすると、宏一氏が出席しなかった理由は別に彼をかばいたいからではなく、下手なことを話させないよう武蔵野側が彼を意図的に外すように仕向けた、という見方もできます。

宏一氏が人を下にみたような態度も、相手の学歴をとかではなく、以下の記事にあるような武蔵野の考え方に染まった社員を、ある種軽蔑するような感情で接したからではと私は感じます。とはいえ、ビッグモーターで人を動かす以上は、武蔵野のやり方に沿ったものではないといけないと宏一氏は理解したと思います。つまり、MBA公認会計士の勉強で学んだロジカルな方法では、ビッグモーターでは人は動かない。だから、彼の言動も過激化していったし、高学歴の彼にとってそのようなやり方をするのは相当に葛藤もあったでしょう。

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兼重宏一氏は35歳とまだ若いです。学歴も地頭もある彼が、このようなことに巻き込まれ、その後の人生に先行きが見えない状況に追い込んだビッグモーターの環境に、私は憤りを感じています。その根底には、武蔵野のコンサルがあると私は考えていて、このような無責任なコンサルで人の人生や命まで奪われてしまうことは、もうあってはならないと思います。もちろん、コンサルが直接的に不正を指示等をしていない以上は法的責任などを負わせるのは厳しいですが、法的責任を負わないから今まで通りのことをやって良いかというと、私は否と考えています。自分が担当した複数のクライアントが危機に立たされているにもかかわらず、自らの責任を回避するような姿勢は、どうしても私は違和感を感じてしまいます。

今回の内容は私の推測もかなり入っており、実態についてはやはり当事者に語ってもらうしかないと考えています。特に宏一氏にはビッグモーターの経営で何を感じ、なぜあのような言動を行ったか、率直に語って頂きたいと私は強く思っています。それが今彼にできる、最大限の社会貢献であると感じます。そして、今後の人生において今回の反省を活かし、ぜひ大学や資格の勉強等で学んだ「知識」や「知性」を信じて、その後の人生の指針を再構築して頂きたいと願っています。