とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

言われたことだけをするのは悪手であると思う

少し前に、みずほ銀行のシステム障害に対する処分が話題になりました。そりゃ何度も障害を起こしてれば、怒られるのは致し方なしなのですが、その時の社長の弁明が以下の記事です。

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システムに全く欠陥が無いということは正直あり得ないと思いますが、「言われたことしかしない姿勢」が問題というのは、何となく分かる気がします。指示を出すほうも全てを把握してるわけではないし、メンバーも何か気になったことも、自分の担当ではないからという理由でスルーするとリスクを見逃すことにつながると思います。私の今までの経験でも、こういった姿勢がバグにつながることが何度もありました。
ただ一方で、こういう姿勢になってしまう気持ちも、よく分かります。これは多重下請構造の弊害も大きいと考えていて、商流が下にいけばいくほど、言われたことをやるという仕事の仕方になる気はします。もちろん、多重下請けではなくても、外部に発注して当事者意識を促すというのは、それはそれで簡単なことではないのですが。

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もう一つの要因としては、日本企業のシステム開発に対するスタンスです。現在でもITエンジニアの多くは、受託開発やSESといった他社から仕事を請け負う形態で働いています。それは仕事があるから成り立つビジネスであるわけですが、他社に発注してそれで開発を済ますという、発注元のIT軽視という側面もある気がします。発注元がITの重要性を認識してなかったら、そりゃ開発側もやっつけ仕事になるよね
という点はあると思います。以下で厚切りジェイソン氏が、アメリカとの比較について語っています。

type.jp


もちろん、それじゃあかんよねってことで、ユーザ側の企業も自社でエンジニアを採用するという動きも出てきているので、徐々に変わっていくのではとは思います。ITエンジニアも言われたことだけやるというスタンスでは、淘汰されていくように感じます。ので、今の環境でそういった仕事の仕方が改善できないという場合は、環境を変えるという選択肢もありとは個人的に思います。