とあるIT屋の独白

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社外取締役のあり方について考えてみる

最近は、そこそこの規模の会社で社外取締役を置いてるところも、珍しくなくなってきました。社外取締役の大体が、いわゆる名義貸しみたいな感じになってる風潮もなくはないですが、最近だと以下の記事のように社外取締役が解任される、みたいなこともちょくちょく起きてる印象はあります。

toyokeizai.net


そもそも社外取締役とはどのようなものか。下記の記事に概要がまとめられています。

基本的には上場企業には制度上は設置必須となるので、形だけ置いているという企業も多いようには感じます。本来的に求められる役割としては、社外の視点からの助言であったり、株主からの意見を経営に反映させるといったものとなります。

schoo.jp


個人的に重要と感じるのは、以下の記事で触れられている「経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」という点です。特に上場企業にもかかわらず大株主が存在する場合は、全て大株主の意向で経営方針が決定されてしまう、といったことも起こりえます。冒頭に紹介したエニタイムの事例では、大株主が自分と意見が合わない社外取締役を解任という、元も子もないことをしてるわけです。

株主とのコミュニケーションを軽視するIR方針 | 蝶理の株主価値向上に向けて


東芝でもこのような事例が、少し前にありました。東芝の大株主であるファンドのメンバーを社外取締役に選任しようとしたところ、綿引さんという社外取締役が反対したという件です。反対自体は、非常にまっとうな意見と感じます。

president.jp


結局は綿引さんは、解任されてしまいました。正しいことをやろうとしたら解任される、これでガバナンスが担保されるとはあまり思えません。

www.yomiuri.co.jp


非上場であれば別に良いとは思いますが、上場企業は多くの少数株主も存在する中で、大株主が自分の意のままに会社を支配するのは如何かなと感じます。その中で社外取締役のポジションは重要と感じますし、あるべき役割が果たせるような制度の整備は必要な気はします。