とあるIT屋の独白

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2022年時点のWeb3について考えてみる

最近、Twitter等々でWeb3のことが話題になってますねぇ。DXと同様に書いてる人はWeb3のこと理解してんのかって思うようなのも散見され、結局Web3ってなんだかよく分からん怪しいものみたいな感じで、読んでる人も多いのではないでしょうか。
現状のWeb3は投機的なトピックが主に論じられていて、本来の目的ではない部分で扱われている気はします。もちろんお金に絡む部分はあるのですが、そこばかり論じても中々本来あるべきところにはたどり着かないように感じます。

thebridge.jp


というわけで今回は、そもそもWeb3とは何なのかというのを取り上げ、今後の展望的なのも少し書いてみたいと思います。

まずWeb3の目的とは何かという点ですが、下記の記事にあるような「GAFAMなど特定企業に依存しない個人に焦点」を当てることになると思います。つまり、GoogleAmazonのようなある種の中央集権的な組織に、データや資産を管理されるのではなく、個人で管理していくものを目指すものになると思います。

www.ejworks.com


個人でデータ管理って言っても不安がある、というのが実際のところでしょう。その不安を解消する仕組みがブロックチェーンです。ブロックチェーンの詳細については割愛しますが、「誰が何をしたか」というのが改ざんされず記録されていく仕組みが、データの基盤として使われています。

monstar-lab.com


さて、このWeb3の目的ですが、多くの人が特定企業に依存したくないと感じているのでしょうか。もちろん、GoogleAmazonにデータを預けたくないという人も一定数いるとは思いますが、多くの人がGAFAMのサービスを使っているように、別にWeb3の目的を達成しなくても良いと感じている人が現状の大半と私は思います。にもかかわらず、なぜ世間でそこまでWeb3がもてはやされているかというと、ある種ずるいやり方でお金を稼ごうとする人が存在するからだと感じます。

例えば、ゲームプラットフォームを運営しているSteamでは、仮想通貨の使用は2022年時点では取りやめています。それは仮想通貨の信頼性が、担保できないということに起因しています。具体的にはその出元が不正なものだったり、裏で違法なことが行われているということです。個人が自由に取引できるということは、悪意を持ったプレイヤーが入り込むというリスクもあって、そのリスクがまだ制御できていない段階なのかなとは感じます。

www.gamespark.jp


個人で管理することが必要である以上は、その安全性を担保することが必要になってくると考えています。今まではデータはサービス運営者が管理していましたが、Web3になると個人が管理することになります。悪意を持った人が出てくるとその金融資産を抜き取られるリスクもあるので、仕組みでどう防ぐかというのはまだまだ課題と思います。もちろん、Web3自体はまだ始まったばかりなので、安全性や価値のあるユースケースの確立もまだこれからかなと考えています。

個人的に考えるユースケースの一つとしては、法定通貨の信用が落ちた場合の代替手段です。ナイジェリアの例でいくと、通貨の下落により国民がビットコインを買うような動きがあるそう。アメリカや日本などでは通貨の信頼性が高いので、まだこのようなことにはならないと思いますが、ハイパーインフレが起こるような国では、信頼できない中央ではなく仮想通貨が流通する可能性のあるでしょう。

www.coindeskjapan.com


我々の身近なところでいくと、オンラインゲームでのユースケースが挙げられます。

オンラインゲームは運営元がサービスを終了するリスクが付きまとって、サービス終了となればそのゲームで得たポイントやアイテムは、なくなってしまいます。私も昔やってたゲームがサービス終了になったりして、悲しい思いをしたりしています。。
Web3でのいわゆる「NFTゲーム」と呼ばれる領域では、アイテムをNFT化し自分の資産になったり、ゲーム内のポイントを仮想通貨に交換できたりします。たとえサービスが終了しても、仮想通貨に換金しておけば手元に資産は残るし、持ってるNFTを他のゲームで使い回しできる仕掛けが用意されているゲームもあるそう。もちろんゲームなので、楽しくなければ成立しないのですが、今まで自分がかけた時間が資産化できる点は、けっこう良いなとは感じています。

www.caica.jp


NFTゲームについても、最近はSTEPNが怪しいと批判されている通り、まだまだ始まったばかりでこれからあるべき形は模索されると思います。ゲームで積み上げた資産を中央集権で管理するのではなく、ちゃんとネットワークで共有できる仕組み自体は良いと私は考えているので、変に投資詐欺のような方向に行くことがないことを個人的には願っています。