とあるIT屋の独白

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ローコードの有用性についてあらためて考えてみる

昨年に私のブログで、ローコードについて取り上げてみました。この記事では、ローコードとは何かというのと、従来のコード生成ツールとの違いと思われる点を挙げてみました。

toaruit.hatenablog.com


ちなみに、ノーコードとローコードの違いは、ざっくりソースコードを直で書くことが有るか無いかの違いなので、本質的にはやりたいことは同じと考えます。ので今回の記事でも、記載は「ローコード」に統一したいと思います。が、参照とする記事についてはノーコードと表記しているものもありますので、予めご了承ください。
さて、ローコード開発のメリットの大きなところは、非エンジニアであっても開発ができる点です。下記の記事のようにあえて開発の間口を広げるために、ローコード開発を採用するといった手段もあります。

www.atmarkit.co.jp

 

個人的には、ローコードツールを使うこと自体は肯定的で、短期間で簡単にシステムが作れるなら、エンジニアであっても積極的に採用すべきと考えています。また、けっこう言われるようなプログラミングの仕事がなくなるというのは、まだまだ先の話で、当分はローコードツールで実現できないような内容はプログラミングでの実装が必要と思います。下記の記事にあるようなWordPressの例など分かりやすいと思いますが、WordPressがここまで普及したからといってエンジニアの仕事が減っているということは現状ないかと思います。

tane.tech

 

ローコードツールを使えば生産性が上がる、という考えは現状はあまり正しくなく、「適切な用途で使えば生産性が上がる」が正しいと考えています。下記に挙げている「OutSystems」というツールの例で、「DBと密結合」、「周辺ツールが充実していない」、「IDEが弱い」等々の課題が挙げられていて、ローコードツールを導入するにもエンジニアの視点で使い物になるかの精査がまだまだ必要と思います。

qiita.com

 

下記の記事で例えられている通り、「RPGツクール」的なところが、ローコードツールの現在位置ではないでしょうか。RPGツクールであっても、お作法的なところが大事だし、何も知らない人がいきなり作れと言われても厳しいものがあると思います。もちろん、RPGツクールのほうがプログラミングを一から勉強するよりも学習コストは低いわけですが、その分できることも限られてくるわけです。学習コストと作りたいものを天秤にかけてどういった手段が果たして適切かという吟味をした上で、ツールの導入をすべきであると感じます。ローコードツールを入れれば簡単にシステムを作れるという単純な話では、まだまだないのかなという感触です。

mizchi.dev