とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

ドメイン名の管理について考えてみる

使ってないドメインが、他の全く関係ないサイトに使われてしまってる、という記事を度々見かけます。自治体系のサイトがニュースに取り上げられることが多いように感じ、少し前だと大阪市が取得したドメインや、

【大阪港開港150年記念のドメインを第三者が取得 - アダルトサイトに】http://www.security-next.com/108762

もう少し前だと、行政機関の関連団体が乗っ取られたりしてます。

自治体の関連組織が運営していた旧ドメイン消費者金融の広告サイトに】
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/05725/

おそらくこの2つの事例は、ドメイン名が不正に移管されたものによるものと推測されます。のっとり犯がドメイン名の移行を申請し、元の持ち主が気付かずに自動承認される、というものになります。詳細は過去の事例を含め、下記の記事にまとめられています。

【不正移管によるドメイン名ハイジャックについてまとめてみた】
https://piyolog.hatenadiary.jp/entry/2019/04/08/053000

インフラ担当の人がいてドメインのチェックをしていれば良いのですが、なかなかそういう担当の人がいないケースもあるかなと思います。下記の通りドメインの不正書き換えを防止するようなサービスもあったりして、こういうのは利用しても良いかなと感じました。

【自社ドメイン名のセキュリティを高めるには(ドメイン名ハイジャック対策)】
https://jpdirect.jp/service/domainlockservice-effective-for-domain-name-hijacking.html

マルチテナントとは何か

自社でサービスなど開発するときに、マルチテナントでの構成を検討するケースも珍しくなくなってきてるのかなと、個人的に感じています。今回はこのマルチテナントについて、取り上げてみます。
まずマルチテナントとは何か。システムのサービスを提供する上で、例えばAmazonのサイトのようにユーザが同一サイトを使用する前提なら、単一のサーバを用意すれば事足りますが、Salesforceのように顧客ごとにデータを保有する形が異なる場合、どうしようかとなるわけです。ユーザ毎にサーバを用意してもよいのですが、それだとインフラコストがばかにならないので、なんとかユーザでインフラを共有して使えないかということで、マルチテナントという構成が案として挙げられるわけです。

【マルチテナント 【multi-tenancy】】
http://sp.e-words.jp/w/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%88.html

では、実際にマルチテナントでどのような構成案が考えられるかというのが、以下のマイクロソフトの記事にまとまっています。アプリケーションを共通化してDBだけテナント毎に分けるのか、はたまたDBも共通化してしまうのか、といった観点で検討していく感じになるのかなと思います。

【マルチテナント SaaS データベース テナント パターン】
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/sql-database/saas-tenancy-app-design-patterns

以下がワークフローのサービスを提供しているエイトレッド社の例。この例ではDBをシャーディングして、テナント識別子を付与してデータを分離してます。特に負荷の分散について気を使っていて、マルチテナントになると、あるユーザにリソースが集中したりするので、いかに他のユーザに影響を与えないかという点を考慮されていますね。

【マルチテナントアーキテクチャを選択する場合の設計の勘所とは?【デブサミ2019夏】】
https://codezine.jp/article/detail/11647

SSP(Supply Side Platform)について考えてみる

以前に本ブログで広告配信を行うシステムのDSPについて取り上げた中で、SSPについても少し触れましたが、
https://toaruit.hatenablog.com/entry/2018/07/03/223322
今回はその接続先であるSSPについて、取り上げてみたいと思います。
まずSSPの役割ですが、下記の記事にまとめられています。基本的にはSSPはメディア(広告を表示するサイト)から接続され、広告の配信を行います、複数のアドネットワークやDSPからのハブになる感じですね。メディエーションやRTB(オークション)の機能が実装されていて、一番収益の高そうな広告をメディアに渡します。

【第3回 SSP活用でメディアが広告収益を最大化させるためのポイント】
https://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1211/15/news004.htm

一つのメディアに対し、一つのSSPで配信されてるのであればよいのですが、そうでない場合もあって複数のSSPとサイトが接続されることもあります。これが以前に本ブログで紹介したヘッダービディングです。
https://toaruit.hatenablog.com/entry/2018/10/27/174456

メディア側は選択肢が多いほど、自社の表示枠を高く買ってくれる可能性があるので、SSPうしの競争も激しくなるわけです。加えて、最近はSSPを介さずに直接メディアにDSPを接続するような動きもあって、SSPの意義自体が見直されてきてるのかなと感じます。

【「差別化のポイント」:エージェンシーがアドテクとの交渉に力を入れている】
https://digiday.jp/agencies/point-differentiation-agencies-tougher-negotiations-ad-tech-vendors/

日本でも、DSPとしてサービス提供されているLogicadにて、広告主が直接メディアの広告枠に配信できるようなサービスを始めていたりします。広告主・メディアの双方が、信頼できそうな相手を選ぶような流れもあるのかなと思います。

【Logicad for Publishersがヘッダービディングによる広告配信を開始】
https://markezine.jp/article/detail/32113

お金を稼ぐことについて今一度考えてみる

お金を稼ぐことについてTwitterなどで、しばしば論争されてます。人それぞれの意見はあると思いますが、とりあえず今回は現時点での私の考えをまとめてみようかと思います。
まずお金を稼ぐことの前提として、私は信用というものがあると思っています。これは以前の私のブログで書いた通りです。
https://toaruit.hatenablog.com/entry/2019/02/19/224938
その上でお金を稼ぐことそれ自体は悪いことではなく、不自由なく生活したり、良いものを食べたりとかで必要になるし、私もお金は欲しいです。ただ、お金というものの位置付けとして生活をするにとっての血液であると私は考えていて、血液ばかりを貯めるというのも不健全かなと思います。それは昨今の日本での資本主義の弊害が感じられる通り、株主価値を追い求めるばかりで果たして日本が豊かになっているか、という点は改めて考えるべきことかなと思います。下記の記事では旧来の資本主義から、新しいモデルへの転換点であるということが書かれています。

【お金は会社にとっての血液「お金が多すぎても、会社は絶対に病気になる。」】
https://lrandcom.com/whose_property/

マーケティングを勉強したことをある人であれば、知らない人はおそらくいないコトラー博士も、「GDPに加えて「人間の幸福度」や「地球環境の健全さ」が経済指標になる」と下記の記事で述べています。お金以外の観点が、今後国や個人を評価する上でより重要視されてくるのではと思います。

【88歳、米寿を迎えた近代マーケティングの父フィリップ・コトラーが伝えたいこと】
https://markezine.jp/article/detail/32210

もちろん、お金がない人は生活を安定させるために稼ぐことが第一目標になるし、それは間違ってないと思います。一方でお金を稼ぐことは手段でしかないので、稼いだら何をしたいのかとか、そもそも稼ぐために取り組んでいることがその人の人生に豊かさをもたらしているのか、という観点も必要になってくる世の中になるのかなぁと考えています。

Elmとはどのようなものなのか

「2019年にわざわざ学ばなくてもいい言語」第1位のElm。名前は聞いたことあるものの、私は全く触ったことなく今回少し調べてみました。ちなみに、私は第2位のCoffeeScriptは今でも少し書くことがあります。
Elmはフロントエンドを実装する際、主に用いられる言語です。言語の特徴としては関数型言語になり、HTMLのアイテムを関数で返すような形で実装していきます。実装のイメージは、下記の記事でまとめられています。

【【elm】2019年にわざわざ学ばなくてもいい言語でTodoアプリを作る】
http://www.aizulab.com/blog/elm-todo-example/

文法の詳細は、下記の記事にまとめられています。関数型言語というだけあって、Haskellっぽい書き方ですね。

【関数型リアクティブプログラミング言語Elmに学ぶ フロントエンド開発の新しい形】
https://codezine.jp/article/detail/8873

そして、実際にフロントを実装する際に個人的に気になった点を、調べてみました。
まずはイベントのハンドリング。下記の記事はプルダウンの、イベントハンドリングの実装です。発生するイベントと返したい値の関数を、定義する感じです。

【ElmでプルダウンメニューのonChangeイベント】
https://qiita.com/asmasa/items/f2db1c4f3320283f823c

次はCSS。「CSS in JS」のような感じ、ElmコードでCSSの設定ができるようです。普通のCSSを書くよりは、パッとみて見通しがよさそう。ロジックも書けるし。

CSS in JS(Elm)したら想像以上に良かった】
http://jinjor-labo.hatenablog.com/entry/2016/05/30/165816

最後にSPA。Elmではフレームワークは用意されてないのですが、以下の記事のようにテンプレートのような感じで実装することはできます。

【Elm SPA テンプレートを作った 1】
https://qiita.com/takmatsukawa/items/daed519ec3a1d3e3555d

マイクロサービスとサービスメッシュ

以前にマイクロサービスについて本ブログで取り上げました。その際に大きな一つのシステムを作るのではなく、サービス単位で適切に区切ってAPIの形式で提供するのが、マイクロサービスでやりたいことと書きました。
https://toaruit.hatenablog.com/entry/2017/07/09/234957

今回はマイクロサービスの運用について、主に取り上げてみたいと思います。

システムをサービス毎に分けること自体は全然良いのですが、その運用に際し課題が出てくるでしょう。特にサービス間の連携で複雑になると、どこから呼びだしたりしてるのかが管理困難になったり、エラーハンドリングがしにくくなっていくことが想定されます。実際に運用した事例で出た課題は、下記の記事にまとめられています。

【マイクロサービスを数年間実践して見えた課題とその対策】
https://www.techscore.com/blog/2018/11/12/microservice-architecture-style

課題のいくつかは、サービスメッシュを導入することで解決するかもしれません。サービスメッシュでは、リクエストのやり取りをプロキシを通して行い、そのプロキシがセキュリティだったりエラーハンドリングを行ったりします。

【サービスメッシュとは】
https://www.redhat.com/ja/topics/microservices/what-is-a-service-mes

サービスメッシュの機能が実装されたOSSで、「Istio」が下記の記事で紹介されています。APIの接続先も振り分けることができるみたいで、異なる結果を返すAPIでABテストとかもできそうですね。

【「サービスメッシュ」「Istio」って何? どう使える? どう役立つ?】
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1802/09/news015.html

DMP・CDPについて考えてみる

マーケティングやオンライン広告の記事を読んでいると、DMPやCDPといった言葉をみかけます。これらはユーザのデータをためるDBのようなものなのですが、違いや活用方法を取り上げてみたいと思います。
まずはDMPについての概要。下記の記事の通り、DMPとはデータマネジメントプラットフォームの略で、広告の配信やマーケティングに活かせるユーザの管理DBです。色々なシステムで使われることを想定された公開されてる「オープンDMP」と自社独自の活用を想定した「プライベートDMP」に用途が、分かれています。

【DMP(データマネジメントプラットフォーム)の仕組みと特徴】
https://dmlab.jp/adtech/dmp.html

かたやCDPはDMP(プライベートDMP)の一種で、データの持ち方を、「実在する個人単位」で付加していくものを指します。DMPでは大体、年齢や地域など大雑把なくくりでユーザー(UID)を管理していくのですが、CDPでは個人をベースにデータを整備していくイメージ。

【CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の仕組みと特徴】
https://dmlab.jp/adtech/cdp.html

ではDMPとCDPは、どのように活用されているのか実例を紹介します。
まずDMPでゼンリンのデータを用いたDMP(オープンDMP)の記事。ユーザの緯度経度データから、そのユーザのペルソナを推定・セグメント化して広告配信で使えるようデータ提供しています。

ゼンリンデータコムCCI、緯度経度データから導いたペルソナ・来店情報を活用したネット広告を配信】
https://markezine.jp/article/detail/31721

CDPの事例は、下記のユナイテッドアローズの記事。元々、顧客管理でCRMを使っていたものの、Webのログと統合するためにCDPを用いています。

【お客様を知り、継続したお付き合いをしていくために ユナイテッドアローズの統合データマーケティング事例】
https://plazma.red/case-study-unitedarrows2017/