とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

機能を絞り込むということについて

システム開発を行っていると、顧客から追加の要望であったり、初めの要件から機能が盛り盛りということもあると思います。もちろん、実装が容易であれば構わないのですが、時間もコストも限られている中で全て実現するというのも、難しい場合があります。その時は機能の絞り込みを行わざるをえず、今回はどういう観点で行えば良いかというのを書いてみたいと思います。
スティーブ・ジョブズがアップルの社長の頃、彼がやった一番最初の改革はこの機能を絞ることでした。つまり、様々な製品・機能が提供されている中でまずは製品のラインナップの削減と製品ごとの機能の絞り込みを行いました。この改革の結果は言うまでもなく、アップルは今や世界のエクセレントカンパニーの代表格として挙げられているまでになりました。

xtech.nikkei.com

 

機能を盛り込みたい気持ちはめちゃくちゃ分かって、やっぱりエンドユーザからの要望があると色々対応して便利にしたいという方向になってしまいますよね。以下の記事で触れられているメルカリの事例とかはまさにそうですが、例えば2つの似たような機能を残すか、一つにするかというのはけっこう判断が分かれると思います。システムを開発をしていくと、似たような機能が複数生まれることはままあると思っていて、いかに機能を削ぎ落として「ユーザの体験」を良くするかという視点も合わせて持たないと、全体として良いサービスにはなっていかないようには感じます。

type.jp

 

機能を削ぎ落としていくことのもう一方の利点としては、開発の進めやすさです。例えば10個の機能を作ってリリースするのと、1個の機能を作ってそれでリリースでは開発者の温度感も全然違ってくるように思います。機能が多くなると、開発の走り始めはゴールが見えず、やはりグダグダになってしまうのかなと感じます。1個の機能をきちんと作り上げてリリースする、このシンプルな進め方が開発者に明確にゴールをイメージ付かせ、開発スピードをあげることにもつながるように私は考えています。

appresso.hatenablog.com