とあるIT屋の独白

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通貨の信頼性について考えてみる

昨年の後半終わり頃から今年にかけて、仮想通貨の信頼性について中々厳しい状況になってきています。FTXの破綻がまだまだ尾を引く可能性があり、当面はちょっとなぁという感じはします。通貨の信頼性を担保するのは中々簡単ではないですが、そもそも信頼性ってなんぞやという話はあります。というわけで、今回は通貨の信頼性について少し書いてみたいと思います。

まず通貨と言えば法定通貨が挙げられます。法定通貨については、前に書いた以下の記事で触れた通り、

toaruit.hatenablog.com

安定性や利便性が、信頼性につながっていくと考えています。特に安定性については大事で、例えば戦争が起きたりとかクーデターが起きたりする国の通貨は暴落するように、政情と通貨の信頼性はかなり関わってくるでしょう。我々がなぜ税金を法定通貨で払っているか、その意義の一つとして、国家が自分達の生活を保証してくれるからという点があると思います。

法定通貨以外に考えられる通貨の一つとして、いわゆるゲーム内通貨のように特定のサービスに閉じた中で使えるような通貨が挙げられるでしょう。サービス内通貨の信頼性としては、サービスの質と継続性にあると考えています。オンラインゲームなどでも、ユーザが集まっているゲームの通貨価値はある程度信頼できるだろうし、RMTリアルマネートレード)のように法定通貨との交換などが行われていたりします。

では冒頭に触れた仮想通貨ですが、仮想通貨の信頼性は何なのかというと、個人的には今の段階では「期待感」の面が大きいと考えています。例えばビットコインを持っていたところで、どこかの組織が生活を保証してくれるわけでもないし、すごく便利なサービスが使えるというわけでもないです。ある種の「世界を変えてくれる」みたいな期待のようなものが、今の信頼につながっている気はします。ただ、そのような信頼を得られるのは今となっては一部のコインだけと私は考えていて、直近でプロジェクト停止に追い込まれている通貨も多数あります。

coinpost.jp


期待感だけでは信頼を得られなくなっている以上、仮想通貨はどうなるかというと、サービス内通貨のような方向性にいくのではと、個人的には予想しています。以下の記事にあるように、スクエニイーサリアムのチェーン上にNFTのコンテンツを販売するように、

www.neweconomy.jp

仮想通貨の信頼性は、そのチェーン上にユーザが集まるようなサービスやコンテンツが、存在するかが大事になってくると考えています。Play to Earnのようなゲームで稼ぐみたいなのも出てきてはいますが、やはりまずはしっかりしたコンテンツが無いとポンジっぽくはなるでしょう。以下の記事にあるように、仮想通貨とコンテンツをどう組み合わせるかは、まだまだ追求の余地があるし、信頼性を確立するのはこれからかなとは感じます。

www.itmedia.co.jp