とあるIT屋の独白

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イーロン・マスクのマネジメントスタイルについて考えてみる

昨年は色んなことがありましたが、ビジネス・IT界隈を騒がせたトピックの一つとして、イーロン・マスクTwitter買収が挙げられるでしょう。今年もイーロンは色々話題になる気はしますが、彼がどういうスタイルでマネジメントをやってるかというのを、理解してると少し行動の意図が見えてくるかもしれません。ということで、今回はイーロン・マスクについて、少し書いてみたいと思います。

基本的なスタイルとしては、以下の記事にあるようなダイレクト・コミュニケーションをベースとしています。会社で仕事をする上で伝達事項は、階層毎におりてきたりコミュニケーター的な人を挟むケースがあると思いますが、イーロン・マスクはそれを良しとしません。

lowcarb.style


これはイーロン・マスク本人であっても例外ではありません。仕事上、イーロン・マスクの確認が必要であれば彼に直接聞くスタイルになります。テスラでの仕事のやり方は以下の記事に詳しく書いてあって、いわゆるモブプログラミングのスタイルで行っているようです。このモブにはイーロン・マスクも参加しているそうです。

logmi.jp


これは一見すごく効率の良い進め方に見えますが、階層型の組織でない以上は個々の自律性が成功には重要となるでしょう。イーロン・マスクTwitter社で、テスラのスタイルで仕事をしようとおそらく試みたと思いますが、今のところ上手くいってるようにはあまり見えません。そもそも後任のCEOが見つかり次第、イーロン・マスクは辞めると言ってるくらいなので。今回のTwitter社でのやり方は、以下の記事にあるプロ経営者がトップになった時のアンチパターンに少し似ているようには感じます。

toyokeizai.net


もちろん、Twitter社を変えるのが急すぎたという側面はあるでしょう。Twitterは何が強みでどうリソースを活かせば上手くいくかという検討をほぼせずに、イーロン・マスクのやり方にそぐわない人をリストラしてしまった面はあります。イーロン・マスクのスタイルは、それに合った環境にハマれば成果は出せると思いますが、既存の組織をそのスタイルに合わせていくのはやはり簡単ではないとは感じます。