とあるIT屋の独白

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日本での寄付やボランティアについて

日本では欧米などに比べ、寄付やボランティアが活発に行われてない、という意見はあるでしょう。こういった、いわゆる社会貢献の意識が低いと、以下の記事ではグローバル人材になるのは厳しいと指摘しています。

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この指摘には賛否両論あると思いますが、今回はその指摘についてではなく、なんでそもそも日本では社会貢献がそこまで活発にならないのかというのを、個人的に考えてみました。

まず、経済的な背景から考察します。日本では比較的、中間層が多い国と言われてきました。自分の所得と他の人の所得がほぼ同様な状況なので、無償で社会的な貢献をしようとする意欲はそこまで高まらないかもと思ってます。もちろん最近は、日本でも格差が生じていて、中間層から貧困層になっていくケースもあるなんてことも言われています。

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次に慣習的な面から。日本では「ムラ社会」と言われているように、閉鎖的な印象があるコミュニティが各地で形成されていました。そのムラの中では助け合うものの、ムラから外に出れば村八分と言われているように、その恩恵が受けられなくなります。
ただ、ムラ社会と呼ばれるものが今は減っているし、ムラ社会の外でそういった助け合いの精神が発揮されてるかというと、そこはまだまだとは感じます。

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日本でも貧富の格差が大きくなったり、ムラ社会がなくなったりする流れなら、欧米のような社会貢献活動の必要性は高まるでしょう。もちろん日本でも、そういった活動に取り組もうとしてる人はいるのですが、以下の記事のように中々うまくいかない事例もあります。

【悲報】貧困者のため善意で無料弁当を作ってたのに「困ってなさそうな人が大量に無料弁当を注文」する事案 / 無料食堂の店主苦悩 | ガジェット通信 GetNews


日本で社会貢献活動の意識を高めるのも必要ではありますが、一方で貧富の差がこのまま高まるのを良しとするのかという懸念はあります。元々日本では「水道哲学」に代表されるように、「この世から貧をなくすこと」のような理念で、事業活動を行ってきたところもあります。事業活動によって社会課題を解決しにいく姿勢は、あまり欧米にはない考えなのかなと思います。
ただ、最近ではどうしても稼ぎが優先になり、水道哲学のような考え方があまり重要視されない雰囲気も感じます。いかに貧富の差を解消したり、社会貢献活動に取り組むか、そろそろ真剣に考える時なのかなとは思います。

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