このブログで何回か取り上げたオンライン広告、なかなか動きが激しい業界ではありますが、現時点での動きや感じたことまとめてみます。
昨今のオンライン広告で影響力のあるメインプレイヤーは、AppleとGoogleでしょう。もちろん、例えばFacebookとかもオンライン広告で収益をあげているのですが、どちらかというとAppleやGoogleの出方で今後の戦略が変わってしまうので、どちらかというと振り回される側な感じがします。やはりハードやOS、ブラウザあたりを押さえている会社は強いですね。
オンライン広告ではCookieやアプリで取得できる端末IDを上手く使うことが、ターゲティングを行う上で大事ですが、Appleがここら辺の規制を強化しています。すでにSafariではサードパーティのCookieは使用不可で、今年の4月には端末IDもユーザの許可なく使用できない仕様としています。
AppleのCEOクックは、ターゲティングを無許可に行うようなアドテクは悪で、これを排除することがユーザ体験をよくすると主張しています。
一方でAppleは自社のプラットフォームでは、プライバシーに配慮するという建前で、独自にユーザー情報を収集してるわけです。もちろんアドテク業者を排除することでユーザー体験を向上させる一方で、より自社プラットフォームへの囲い込み的な裏テーマも、あるかなとは感じます。
一方でGoogleがサードパーティCookieの代替として進めてる「FLoC」ですが、こちらはあまり旗色がよくないようです。プライバシーに配慮した上でユーザ情報を収集する方針だそうですが、なかなか周囲のベンダーからは賛同をえられてないみたいです。
Googleの収益の多くを占める広告収入ですが、ターゲティングなしで維持できるかというと、怪しい状況なわけです。なので今のところはAppleの方針が優勢な感じはしていますが、Googleの巻き返しにも期待はしたいです。