とあるIT屋の独白

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AppleとGoogleのオンライン広告(2021年5月時点)

このブログで何回か取り上げたオンライン広告、なかなか動きが激しい業界ではありますが、現時点での動きや感じたことまとめてみます。
昨今のオンライン広告で影響力のあるメインプレイヤーは、AppleGoogleでしょう。もちろん、例えばFacebookとかもオンライン広告で収益をあげているのですが、どちらかというとAppleGoogleの出方で今後の戦略が変わってしまうので、どちらかというと振り回される側な感じがします。やはりハードやOS、ブラウザあたりを押さえている会社は強いですね。
オンライン広告ではCookieやアプリで取得できる端末IDを上手く使うことが、ターゲティングを行う上で大事ですが、Appleがここら辺の規制を強化しています。すでにSafariではサードパーティCookieは使用不可で、今年の4月には端末IDもユーザの許可なく使用できない仕様としています。

iphone-mania.jp


AppleのCEOクックは、ターゲティングを無許可に行うようなアドテクは悪で、これを排除することがユーザ体験をよくすると主張しています。

jp.techcrunch.com


一方でAppleは自社のプラットフォームでは、プライバシーに配慮するという建前で、独自にユーザー情報を収集してるわけです。もちろんアドテク業者を排除することでユーザー体験を向上させる一方で、より自社プラットフォームへの囲い込み的な裏テーマも、あるかなとは感じます。

gigazine.net


一方でGoogleサードパーティCookieの代替として進めてる「FLoC」ですが、こちらはあまり旗色がよくないようです。プライバシーに配慮した上でユーザ情報を収集する方針だそうですが、なかなか周囲のベンダーからは賛同をえられてないみたいです。

internet.watch.impress.co.jp


Googleの収益の多くを占める広告収入ですが、ターゲティングなしで維持できるかというと、怪しい状況なわけです。なので今のところはAppleの方針が優勢な感じはしていますが、Googleの巻き返しにも期待はしたいです。