とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

管理と見積もりのプロセスを整備すればプロジェクトは成功するのか

以前に本ブログでマネジメントについて取り上げましたが、

toaruit.hatenablog.com

今回はユナイテッドアローズ(UA)の事例を元に、もう少し深堀っていきたいなと思います。
UAは昨年、zozo関連会社に委託していたECを自社運用するという方針にしました。ただ、自社運用と言いつつも自社でエンジニアがいたわけではなく、開発は外部に委託したようです。その結果うまくプロジェクトが回らず、遅延等々が発生したとのこと。

netshop.impress.co.jp


UAは原因を、見積もりであったり、管理プロセスの甘さであったり、不十分なベンダーコントロールと考えてるようですが、私の思うところは少し違います。もちろん、そういった点も重要ですが、ECをコアと位置付けているにもかかわらず、そこに対する投資が出来ていない点が一番大きな問題と考えます。特に重要なのはエンジニアを自社で確保するという点です。
以前の私のブログ記事ではマネジメントを行う上で、実行的側面の重要性をあげました。実行的側面を強化する上で、大事なのは現場のエンジニアです。もちろん、全部が全部を正社員で開発する必要はないと思うし、リソースが足りなければ委託を利用することも全然ありと思います。ただ、コアとなる技術であったり業務知識(ドメイン)は内部に残すべきと私は考えます。
また、実行主体のエンジニアが現場にいるだけで、ベンダーの品質や見積りもりが想定外、などの不測の事態が起こるときの対応もかなり良くなるのではと感じます。プロジェクト初期の状況では多くの不確実性があり、正確な見積もりはかなり困難でしょう。不確実性の全てをPMが解決してくれるわけではありません、エンジニアはその不確実性を一つ一つ確実な方向に持っていかなくてはいけません。下記の記事にある「不確実性の闇を祓う」作業は、ITをコアとしたいなら外部ベンダー任せにすべきではないと思います。この問題意識はエンジニアが持つべきものであって、プロジェクトの肝となる部分と感じます。だからエンジニアは自社で確保しておくべきと私は考えます。

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