とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

デジタル広告の節目の時

昨年頃からCookie規制や個人情報の取り扱いなど、デジタル広告に対する世間の目が厳しくなってきている傾向にあります。で、最近になってまた、より厳しい目が向けられるような感じを受けているので、現在の流れ的なところとじゃあどうすればいいかっていうのを、書いてみたいと思います。
下記は少し前に、日本政府で検討されたネット広告の適正化に関する記事。ネット広告の料金形態自体が複雑といえば複雑で、かつその流通もGoogleなどの大手のプラットフォーマーが牛耳っているというのが現状です。日本政府もさすがにこのままじゃあかんだろ、という姿勢を見せているわけです。

【政府、ネット広告の適正化に本腰 巨大IT規制で中間報告】
https://www.tokyo-np.co.jp/article/35821?rct=economics


メディアを中心とした日本の企業も、この動きに乗っかって連携するそう。価格の適正化といった観点に加え、コンテンツと連動した広告配信も目指すそうです。

【デジタル広告で28社連携=新聞・放送など、米巨大IT対抗も】
https://www.nippon.com/ja/news/yjj2020062200306/

大手SNSから広告を引き上げるような動きは、海外では話題になってますね。広告主側もアクセス数が多いプラットフォームに出せばいいや、という考えから変わってきてはいます。プラットフォーム側は、どういうコンテンツなら問題なく広告を出してくれそうか、より慎重に検討する必要があるわけです。

スターバックスSNSの広告ボイコットに参加--ユニリーバコカ・コーラに続き】
https://japan.cnet.com/article/35155976/

この契機として、コンテンツに対するユーザの目が年々厳しくなっていることが背景として挙げられると思います。当然ではありますが、プラットフォーム側も広告主側もユーザ体験をどう良くするかという取り組みが、今後より重要になってくるのかなと。
こういった状況で取りうる対策として、UXインテリジェンスの向上が挙げられます。UXインテリジェンスとは下記の記事によると、「行動データを正しくユーザー体験に還元するための能力」とされています。つまり、プラットフォームで収集したデータを適切にユーザに還元できなければ、広告としてNGを突きつけられる可能性があるということです。


【良い商品を作れば売れる時代から良い体験が提供されるところに人が集まる時代へ、アフターデジタルの時代に求められる「UXインテリジェンス」】
https://dime.jp/genre/818993/

これはプラットフォーム側、広告主側の双方が意識すべきことと考えます。データを貯めること自体は悪ではないのですが、そのデータを意図なく利用したり販売したりするのは今後よろしくない行為とみなされるリスクもあります。ので、データをどう使うかユーザへの説明と、その使用についてユーザや社会に還元するかという意識がより求められてくることと感じます。

【アフター・アフターデジタルの世界で理解すべき 「UXは経営課題」の意味】
https://markezine.jp/article/detail/32736