とあるIT屋の独白

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ヤフー・アスクル問題にみるコーポレートガバナンス

少し前に話題になったヤフーとアスクルの、社長再任に関する対立問題。資本の論理とコーポレートガバナンスの観点から、興味深いトピックと思いますので今回取り上げてみます。
ことの経緯としては、アスクルの岩田社長と社外取締役の再任に、大株主であるヤフーが業績低迷を理由に反対したことです。結果として株主総会で社長再任は否決され、社長のポストには新しい人が就きました。

【ヤフーの反対で アスクル社長再任否決「ロハコ」めぐり対立】
https://sp.fnn.jp/posts/00421854CX/201908030225_CX_CX

大株主が反対したので、資本の論理ではいたしかたないことなのですが問題は2点あって、社長と一緒に社外取締役の再任が否決された点と、アスクルが上場企業という点です。つまり、上場してる会社が親会社の意向で経営の監視役である社外取締役を、辞めさせてよいのか。問題点は下記の記事で解説されています。

【ヤフーvs.アスクル問題は親子上場「重大な制度的欠陥」、取締役協会声明を冨山和彦氏が解説】
https://www.businessinsider.jp/post-195846

そもそも岩田社長側の経営に不備があったかは、今ではたしかなことは分かりません。ただ、再任否決された社外取締役は、ヤフー側でも岩田社長側でもなく独立の立場で経営の監視を行っていたことを主張しています。この情報からすると、今回の再任否決は親会社の意向があったと考えるのが、妥当なのかなと思います。

アスクル社外取締役らが声明文、ヤフーの議決権行使を批判 「深く憂慮する」「ガバナンスを蹂躙している」】
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/1907/29/news076.html

親子上場自体は、資金調達をやりやすくするという点でメリットはあります。その分今回のように、親会社の意向で経営の判断を決めるというのはガバナンス的に問題があると言われてしまうので、きちんとしたプロセスで物事を決めるということが大事になってくると感じます。

【ヤフー・アスクルの対立に見る、親子上場の問題点】
https://www.qhinsights.com/oyako_jojo/