とあるIT屋の独白

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サイエンスな基礎研究とソフトウェアの基礎研究

一般的な基礎研究(主にサイエンスの分野)は実用にいたるまでの期間が長く下手したら実用化にいたらないことから、基礎研究に取り組む機会自体が少なくなっています。下記の記事によると民間では、ほぼ基礎研究所は廃止され、国や大学が基礎研究の場の主なところとのこと。

 

【企業に見放された基礎研究、「ポスドク問題」、サイエンスの危機】

http://best-times.jp/articles/-/3493

 

主に大学におけるサイエンスの基礎研究では、経済的な成果をすぐに求めるのではなく学術的な価値という観点でも評価されるという点が特徴ではあります。研究者が、ある程度自由にテーマを決めるケースもあります。

 

【"役に立たない"基礎科学が大事なワケ】

http://toyokeizai.net/articles/-/45680?display=b

 

さて、ソフトウェアの業界に目を向けると、基本的に基礎研究は期間がかかるものという点は同様です。ただ、少し前の記事ですが、下記にある通りGoogleMicrosoftではそれなりに研究者を集め、基礎研究に費用を費やしているそうです。Googleでは有名な20%ルールにより全社員が基礎研究的な取り組みを業務の一部として組み込んでいます。かたやMicrosoftでは基礎研究のチームを作り、ビル・ゲイツ曰く、社会に影響を与えそうな研究はスケールの面から民間でやらないと厳しいという見解とのこと。

 

GoogleMicrosoftに見るソフトウェアの基礎研究】

https://japan.cnet.com/blog/umeda/2004/06/09/entry_googlemicrosoft/

 

日本だと、NTTではソフトウェアの分野で基礎研究を行っていますが、要素技術での研究時点ではもちろん表に出るサービスはまだ形になっていないので、その活用方法も考えつつ進める必要があるとのこと。

 

【基礎研究は「時代」とともに在り(NTT技術ジャーナル)】

http://www.ntt.co.jp/journal/1409/files/jn201409012.html

 

ソフトウェアの世界では基礎研究的な取り組みは、個人でも可能と考えています。個人レベルでの研究から世界に広がったものとしては、プログラミング言語の「ruby」が挙げられます。rubyは元々、まつもとひろゆき氏が、自分が使いやすいプログラミング言語を開発しようというところから始まっています。

 

Rubyはどのように生まれ、世界へ羽ばたいていったのか?まつもとゆきひろさん講演会の全貌をレポート】

https://tech.recruit-mp.co.jp/event/post-12898/

 

何かを始める時は必ず壁に当たると思いますが、根気強く続けていくというのは大事ですね。