東芝の会計問題が連日のように、ニュースで取り上げられてきていますが、この問題を期にガバナンスについても論じられています。日本政府としてもコーポレートガバナンスコードが掲げられていて、ガバナンスの重要性自体は揺るぎないのですが、通り一辺の対応では最終的にガバナンスがきいている状態を作り上げるのは難しいのではと感じる次第です。
さて東芝の今回の問題は、WH社の買収に端を発するのは周知の事実ですが買収後にリスク管理やマネジメントが適切に行われていないことも、損失が大きくなった一因として挙げられます。下記の記事では、東芝がWH社をコントロール出来ていない点を指摘しています。
【東芝は悪くない】
http://www.newsweekjapan.jp/obata/2017/03/post-16.php
M&Aにおいては、事前のデューデリジェンスも重要ですが統合後のガバナンスをどうするかという点も考えなければいけません。
【結婚もM&Aも、「新婚生活」を侮る者はしくじる】
http://toyokeizai.net/articles/-/116545
ガバナンスを紋切り型としてしまうことは、結果として買収先をコントロールできないことにつながってしまいます。どこまで細かくルール化すればよいかは規模等にもよりますが、少なくとも親会社側がリスクを検知できるような体制とすることが望ましいと考えられます。
下記は住友商事社内のリスクマネジメントのフレームワークですが、こういった仕組みはM&Aでも活用できると思います。
【リスクマネジメント | 住友商事】