今年に入って政府の文書改ざん問題が、種々報道されていますが、今回は少し前に話題になった裁量労働制について取り上げてみたいと思います。事の発端は政府が出す法案の審議の際に、裁量労働制を導入すると労働時間が短くなる、との主張が政府からされたのですが、後々データちゃんと集めてみると実はそんなことはないのではないか、という指摘がされたものとなります。
【捏造の次はデータ隠し!厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽】
http://lite-ra.com/i/2018/02/post-3819.html
この件に関するニュースを見ると、そもそも裁量労働制とは何かというのが、あまり語られていないことが多いので、まずは概要を下記の記事にて確認。
【「裁量労働制について」】
https://www.jmsc.co.jp/knowhow/column/no9.html
裁量労働制では、労働時間はあくまで事前に取り決めた「みなし労働時間」がベースになるので、実際の労働時間の長短は給与へは基本的には反映されません。この制度は、労働時間=成果と必ずしもならないような職種で導入されます。
さて、この裁量労働制を議論する際に最も気を付けなければならない点は、労働者に本当に「裁量」が与えられているかどうか。下記の記事で指摘されている通り、裁量労働制が導入されている職場において時間が自分では決められない仕事がままある、というのはなんとなく共感できます。
【裁量労働制のどこがウソなのか?】
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2018/02/post-976.php
そうなると、そもそも制度ではなくそれを運用する会社側に問題があるのではって思ってしまうのですが、時間以外に何をもって成果を評価すればよいのかは難しい問題です。その観点で考えると、働き方と評価方法はセットで考えなければいけないということが、下記の記事に書かれています。
【「裁量労働制」批判だけしても何も解決しない】