とあるIT屋の独白

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夫婦別姓と戸籍について考えてみる

少し前に、旧姓に法的根拠を与えるようサイボウズの青野社長が裁判所へ提訴しました。今日は少し趣向を変えて、この件について取り上げてみます。

 

夫婦別姓問題で国を提訴するサイボウズ社長の「痛快」な主張】

http://diamond.jp/articles/-/153253?display=b

 

私の会社でも旧姓で働いている方もいらっしゃいますし、結婚後に名字を変える方もいます。どちらの方法を選ぶにしろ手続き等が面倒だし、そもそも姓を変えなければいけないのは何故か、非効率だ、と言いたい気持ちは普通に理解できます。ただ、だからといって夫婦別姓を選べるということが対応として本当に正しいのか、という点はもう少し検討の余地があるのではということで、そもそも現状の戸籍管理というところから考えてみたいと思います。ちなみに、私は右翼でも左翼でもなく少年野球をやってた時は補欠でした。

まず、戸籍とはそもそも何かざっくりいうと自分の出自情報を管理する仕組みとなります。生まれたときは基本的には子供は親の戸籍に入り、結婚した時には親の戸籍から抜けて新しく夫婦の戸籍ができ、その際に姓を夫婦どちらかのものを選択しその履歴が自分の出自として残るわけです。

 

【公務員から聞いた戸籍早分かり術】

http://www5f.biglobe.ne.jp/~milty/koseki/koseki.html

 

ちなみに、外国籍の人と結婚した場合は夫婦別姓は許可されるのは何故かという指摘がありますが、そもそも外国籍の人は日本の戸籍法では対象外だからなのです。なので、結婚して戸籍ができる時はその戸籍は自分のみとなり名字を変える必要がそもそもないということになります。(手続きで変更することもできますが)

 

【国際結婚後の戸籍と苗字(名字)について知るべき4つの事】

http://visa-immigration.net/info/international-marriage-surname

 

そして、ではなぜ結婚したら姓を同一にしなければいけないのかというと、現在の戸籍の考え方では戸籍の単位は核家族単位となっていて、これを識別するものとして姓が用いられている為です。詳しくは下記のサイトに書かれていますが、このような管理の仕方は明治時代に始まっていて、当時としては、合理的な管理の仕方であったのかなと考えられます。

 

【ちょっと待った!夫婦別姓

http://syphon.bonyari.jp/index.html

 

では、なぜ核家族単位で管理するのかというと上記のサイトにも言及がありますが、それは生まれてくる子供の出自の管理と育児の責任の明確化の為という目的もあります。この、子供が属する戸籍については下記のサイトにも解説があり、例えば離婚した時に子供の戸籍を移す場合にどうすればよいかというと、姓(氏)の変更とセットで管理されています。

 

【離婚すると戸籍はどうなりますか?】

http://www.souzoku-sp.jp/m/koseki/detail/index3.html

 

長々と現行の戸籍制度について書きましたが、この戸籍の管理の仕方と姓はセットで考えなければいけないものと考えます。戸籍管理の仕方が現在の社会状況に合ってなく、管理の仕組み自体を変える中で姓の役割も変える、という議論であれば全然歓迎すべきことではあると思いますが、夫婦別姓という局所的なところだけ取り上げられ、制度を変更すべきだというのは、やはり少し違うのかなと感じます。