とあるIT屋の独白

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ガバナンスと組織と必達目標

安倍政権が昨年、コーポレートガバナンス・コードを制定しましたが、これを導入することで企業の不祥事を減らすことができるのでしょうか。まだ制定前に行われたものとはいえ、直近でも三菱自動車による燃費不正の問題がニュースになっているところです。

取り急ぎ、まずはコーポレートガバナンス・コードに関する解説記事を紹介します。

 

企業統治のキーワード、コーポレートガバナンス・コードを理解する】

http://www.bk.mufg.jp/houjin/riseupclub/2015/11/post-226.html?readmore=1#main

 

コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に対する経営の規則が定められていて監査や開示などなどの項目が含まれています。で、もちろん「経営」に関する視点が主なものであり、コーポレートガバナンス・コードを明日から始めたからといって、企業全体のガバナンスが担保されるわけではありません。現に東芝は委員会等設置会社であり、第三者からのチェックは仕組み上は行われているはずでしたが蓋を空けてみると…、という状態でした。

では企業のガバナンスを真に効かせるには、どうしたらよいでしょうか。なぜ不正を行ってしまうかという点ですが、以下記事に考えられる一つの原因が書かれています。

 

【ガバナンスだけでは防げない 「権力闘争」が企業を滅ぼす】

http://ironna.jp/article/2170

 

大切なのは経営者の資質だ、といえばその通りなのですが、こういった数字が独り歩きしてしまう要因としては「必達目標」として数字を設定していることにあると思います。目標は目標で設定することは全く普通のことなのですが、諸々の要因で達成できなくなることもあります。経営者の役割としては要因分析や施策をたてることになるかと思いますが、必達目標として設定すると達成できないことは「悪」となってしまいます。結果、責任者は左遷されたり下手したらクビになるので必死に数字を作るわけです。

ちなみに、三菱自動車でも下記記事にある通りこういった兆候は元々あったようです。

 

三菱自動車、新車開発の遅れを理由に管理職を「クビ」 異例事態に業界内で波紋広がる】

http://biz-journal.jp/i/2015/11/post_12603.html

 

経営者の下で働く側にとっても、無理難題を言われたあげく責任だけとらされるという事態になったら、不正を行う前に辞めるべきかもしれませんね。