とあるIT屋の独白

ITや経営について主に書きます

経営でとるべきリスク

リスクをとって経営をするのが経営者の仕事、といわれることもありますが東芝日本郵政の事例のように大型M&Aをやって失敗してしまっては元も子もありません。経営者がどうリスクをとるかというのは難しい課題で、吉野家で社長が交代した時もいろいろと後継選びのときは悩んだようです。

 

吉野家の後継者に河村社長を選んだ理由】

http://diamond.jp/articles/-/117104

 

そもそも何が「リスク」となりうるのか、というのを認識するこ自体がと自体が難しと思いますが、リスクを取るだけでなくリスクをつぶすのも経営者の役割といえそうです。

 

【リスクを「取る」か「つぶすか」経営者の悩みに応えてくれる】

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121105/239070/?ST=smart

 

とるべきリスクはとって、つぶすべきリスクをつぶす。中々出来ることではありませんが、要は自社にとって「グッドリスク」をとることが大事らしいです。

 

【「チャレンジ」とはリスクをとるということ】

http://president.jp/articles/-/14568

 

ちなみに、このグッドリスク・バッドリスクという用語ですが保険業界の用語らしいです。保険事故の発生率が低いものをグッドリスクというんですね。

 

自動車保険&生命保険 用語解説室】

http://www.hoken-jiten.com/knowledge/know001/001535.html

本当にOSSの選択がよいか

オープンソース(OSS)はライセンス料がかからない、かつ機能的にもベンダー製品と肩を並べる部分もあり、システム構築時の現実的な選択肢となっていると思います。特に価格面の観点からOSSでよいと考えてしまいがちですが、今後の運用を見据えると実はそうとは限らないということもあります。下記は元々LinuxベースのOSで運用していたミュンヘン市が、Windowsに戻そうとしている事例です。

 

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「オープンソース vs. Windows」の最前線だったミュンヘンの現在】

http://www.itmedia.co.jp/pcuser/spv/1703/20/news009_0.html

 

ミュンヘン市で使っているLinuxベースのOS(Limux)は、カスタマイズをかけていることもありパッチ適用の対応が、大変となっているとみられます。結果、OSの更新が滞っているんでしょうね。

また、他の側面としてLinuxで使用しているOfficeソフトにおける、MS製品との互換性の問題が挙げられます。

 

【「Linux移行完了を受けて調査しているだけ」--ミュンヘン市Windows回帰報道にコメント】

https://japan.zdnet.com/article/35053843/

 

ミュンヘン市の事例だと、OSSにするといったことが目的となってしまい、実際の業務に則しているかとか運用どうするかといった観点が足りなかったのではと感じます。

下記記事でMS牛尾が言うように、ベンダーロックインを過度に避けて、本来やりたかったことが出来なかったり人手がかかる運用になるのは本末転倒ということですね。

 

【“Be Lazy”で自動化の第一歩を踏み出そう! マイクロソフトの牛尾氏が語る「DevOpsにおける自動化のコツ」とは【デブサミ2017】】

http://codezine.jp/article/detail/10054

UPQの騒動とアメリカでの品質

少し前にUPQというベンチャー企業が、スマホの発火やディスプレイの誤記載で話題となっていました。UPQは製品自体は中国で生産しているとのことですが、品質確認が不十分だという指摘をネット上で受けています。

また一方では、ミスの批判ばかりでは日本のベンチャーは育たないとの意見もあります。

 

【誤表記問題に対する池澤あやか氏の指摘から始まる「ものづくりを取り巻く環境変化」「メーカーと消費者の責任範囲」に関する議論】

https://togetter.com/li/1106400

 

池澤さんの意見は個人的には半分当たってて、半分外れてるのかなと思います。

ベンチャー企業が多数生まれているアメリカを参考にすると、確かにミスに対して緩いイメージはありますが、顧客の商品に対する評価は日本以上に厳しいものと思います。それは、アメリカ特有の返品制度にあります。

 

【「やっぱりいらない、返品だ!」が当たり前の国】

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/10230706/

 

消費者は気に入らないものは返品できるので、購買に対する壁が低く新しいものは試しやすい環境にあるといえます。逆にいうと新しいものに非常に魅力があり、消費者に返品を考えさせるようなことがなければ多少のミスがあったとしても成功できる可能性があります。爆発的に売れたWindows95もいかに一般の人に魅力的になるかという思想で開発され、リリースされました。

 

【「仕事が遅すぎる人」に共通する残念な考え方】

http://toyokeizai.net/articles/-/122089?display=b

 

ジョブスも、いかに魅力的な製品を産み出すかということを追及し成功しましたので、日本でもこういったマインドを持った会社がたくさん出てくるとよいですね。

 

スティーブ・ジョブズが社員に強いた「限界を超える」要求】

http://best-times.jp/articles/-/5536

MySQLとPostgreSQL

以前にもこのブログでRDBMSの選定は、厳密にやろうとすると難しいと書きましたが、

【DB選定の難しさ】

http://toaruit.hatenablog.com/entry/2016/12/23/182410

OSSを採用する場合、MySQLPostgreSQLというのは悩みどころなのでもう少し深堀りしてみます。

下記の記事を鑑みるに、すごくざっくりとしたイメージだと、MySQLはコンシュマー向けシステム、PostgreSQLエンタープライズ向けシステムに使われる感じでしょうか。

 

【Database Watch(2017年2月版):OSSデータベースの「スーツ」と「ギーク」はどっち?──MySQLPostgreSQLのエコシステムをあらためて考える】

http://www.atmarkit.co.jp/ait/spv/1702/23/news013.html

 

記事にも取り上げられているAmazon Auroraですが、PostgreSQLへの対応が要望として多数挙げられていて実現したそうです。AWS等のクラウドエンタープライズシステムを運用するのも、そんなに珍しくはなくなってきましたからね。

 

【[速報]AWS、「PostgreSQL for Aurora」発表。PostgreSQL互換で基幹業務に対応する性能と信頼性を実現。】

http://www.publickey1.jp/m/blog/16/awspostgresql_for_aurorapostgresqlaws_reinvent_2016.html

 

下記サイトの#6では、両者の優位性について説明されている資料があり、参考になります。

 

オープンソースソフトウェアへの取り組み: 勉強会資料アーカイブス | SCSK株式会社】

http://www.scsk.jp/product/oss/report2.html

プレミアムフライデーと働き方改革

今年の2月にプレミアムフライデーが始まってから少したちましたが、浸透しているとは言えない状況のようです。

 

プレミアムフライデー本格導入は業務改善から? 約9割が「会議で結論を出す工夫をしていない」と回答】

https://news.careerconnection.jp/?p=35865&page=2

 

プレミアムフライデーは、下記の記事の通り働き方改革と消費喚起の2つの目的が主にありますが、働き方のほうを変えていかないと結果失敗という形になるということでしょうかね。働き方を変えなければいけない、という意識付けという面では一定の効果はあったかもしれませんが。

 

プレミアムフライデー失敗の理由】

http://president.jp/articles/-/22028

 

働き方という面でいくと、今までの日本のスタイルである仕事に境界線を設けない、というやり方を改めるべきとの指摘もあります。

 

【もうやめた方がいい「社員一丸となって」の掛け声   働き方改革の成功のカギは個人の仕事の「分化」】

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49315

 

どちらかというと、欧米のような働き方にシフトする形ですね。

能力主義とピープル・アナリティクス

日本のIT企業は未経験や文系の人を、今でも多く採用しています。かくいう私も未経験でITの会社に入った一人ではありますが、未経験者でも入れてしまうというのは日本特有かもしれません。

 

【日本のITがダメな本当の理由】

https://wirelesswire.jp/2017/01/58716/

 

個人的に未経験OKというのは、IT業界に広く門戸が開かれているということなので、そこまで悪いことと思いません。どのみち適正がない人や仕事が合わない人は、いずれ辞めてしまうので。(ここら辺がITの離職率が高いことの一因となっている面はあるが)

日本が未経験OKなのは、その評価制度に関連していると考えられます。いわゆる「能力主義」での運用です。

 

【「実力主義」や「成果主義」と混同されがちな「能力主義」の正確な意味を知ろう】

http://www.bbt757.com/pr/bbtch/26/

 

職務主義だと、決められた仕事に対してその人が持っているスキルを照らし合わせれば、採用の可否はある程度判断できます。ただ、能力主義の場合はそうはいかず、そもそもの職務がきっちり決められていないこともあるので、採用の可否も定性的となってしまうのかなと思います。(なのでポテンシャル採用が成り立ち)

で、ここからが本題なのですが、こういった日本的な評価制度にあった採用をしていくためには「ピープル・アナリティクス」を活用できる余地があると考えています。ピープル・アナリティクスが何かというのは、まず下記のサイトをご覧下さい。

 

【ピープル・アナリティクス】

https://hcm-jinjer.com/glossary/word/word-339/

 

つまり、自社に合った人材にみられる行動特性を科学的に分析できるということです。下記のリクルートワークスの研究結果をみると、ピープル・アナリティクスの考え方自体は昔からあったようですが、行動特性を分析しそれを採用や評価に結びつける為のプラットフォームがようやく出来てきた感じでしょうか。

 

【ピープル・アナリティクスの歴史を振り返る】

https://www.works-i.com/research/2016/pa/04.html

 

欧米と比べると、日本ではまだ事例が少ないようです。各社での利用検討はこれからといったところでしょうか。

 

【欧米と日本における「ピープルアナリティクス」の違い】

http://diamond.jp/articles/-/109653

 

ちなみに、能力主義の評価制度について、トヨタでも採用されています。トヨタでは現状定性的といえる項目も評価指標として入れられていますが、ピープル・アナリティクスを活用して科学的な分析を今後行ったりするんでしょうかね。

 

【なぜトヨタでは「人望」がなければ出世できないか】

http://president.jp/articles/-/14480

ベアメタルクラウドとは

最近ちょくちょくIT系の記事で見かける「ベアメタルクラウド」という言葉。そもそもこれって何?、というところから調べてみました。

まずはベアメタルの意味ですが、下記のIT用語辞典のサイトにある通り、元々の意味はソフトウェアが入っていない空の状態をさすそうです。ハイパーバイザー型の仮想化についても、この言葉が使われます。

 

【ベアメタル (bare metal)とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典】

http://wa3.i-3-i.info/word12195.html

 

ベアメタルクラウドとはつまり、ベアメタルな環境をクラウドとして使えるサービスとなります。物理サーバを制御するというところが、みそですね。

 

【ベアメタルサーバってなあに | 「IIJ GIO(ジオ)」の公式ブログ】

https://giolog.iij.ad.jp/2016/06/01/15143/

 

ベアメタルは、ハードの性能をより活用できるところにメリットがあります。ただ、すべてのサーバをベアメタルにするのではなく、下記の記事にあるような、ベアメタルクラウドと従来型クラウドを組み合わせた構成というのも事例があります。

 

【新世代クラウド - [第2回]ベアメタルクラウド

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/070900169/070900002/?ST=spleaf